夫が喉を痛め、そのまま寝入った。

食事もままならない状態だ。


欲しい物があるか聞いても、

特にない、という返事だった。


が、夜の8時を過ぎた頃に、

「スポーツドリンクと、アイスが欲しーい」

と蒲団からボソリと言った。


長女が「うわ。パパが甘え声出した」と笑った。


「いいよ。買ってくる。

 あなたたちは何がいい?」


「アイス、アイスー」

「ジュースも買ってきてー」

娘たち二人も便乗して騒ぎ出す。


「はいはい。じゃ、行ってくるね。」


スーパーまで一人、暗い夜道をテクテク歩く。


レジで買い物を済ませたときに、ふと、

夫のリクエストが嬉しかったなあと思った。


そのとき、大きな気づきがあった。


今までの私はいつも心のどこかで

「甘えないで欲しい」という気持ちがあった。

それは自分が冷たい人間だからだ、と思ってた。


が、実は、無意識下では、

甘えられても応えてあげられないほど

自分自身は非力なのだ、と思っていたからだ。

結局、自分に自信がなかったゆえだった。


けれど、今回、私は夫のために

飲み物や食べ物を

買ってきてあげることが出来るではないか。


私にもやれることがある、という自信。


私は、自分の限界を知っている。

知っているからこそ、

人に甘えられても、もう大丈夫。


このことがわかって、

とても幸せな気分になった。


(11月27日に記す)