(この記事は、7月14日に記す。長い記事ですみません。)


昨日のこと。

朝からずっとしんどい気分があり、払拭出来ず。


けれど、人間の気分は山あり谷ありだから、

そういう日もあるのだと受け入れることにした。


それよりも、この日を「どう過ごすか」が鍵だ、と感じた。


怒鳴らない。焦らない。ヤケにならない。を自分に課す。


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午後、学校から帰ってきた長女(中1)と次女(小2)。


ふと、次女が「カラオケには、いつ行くの?」とうれしそうに訊く。


カラオケに行く話は、長女とその友人たちの企画であり、

次女にはまったく関係のないことだったのだが、

どこだかで聞きつけて、自分も行けると勝手に思っていたらしい。


長女「先週末に、もう(私は)行って来ちゃったよ。」

私「うん。カラオケはお姉ちゃんたちの企画だよ。

  今のところ、家族で行く予定はないよ。」

などと説明したら、次女は怒り出した。

「行くって言ったじゃないか。ふたりとも嘘つきだ!意地悪!」


期待が大きかったせいで、落ち込みは激しかった。

意地悪をされたのだと思いこみ、一方的に被害者に変身した。

大泣きをする次女。私と長女は、呆れるしかない。


私は泣いている次女に、懇切丁寧に事情を説明をした。

長女は、「なぐりたいなら、なぐれ。ほれ。」と頭を差し出す。

次女は、やり場のない怒りでさらに顔が真っ赤になった。


突然、次女は折り紙とハサミを取り出して、

ハートの形に切り抜きだした。

が、怒りと悲しみでグジグジ泣いているせいもあって、

ハサミをうまく使いこなせず、何枚も何枚も失敗する。


「うまく出来ない~!ギャー!このハサミが悪いんだ!」


いつもの私なら、「いいかげんにしろ!」と怒鳴るところだが、

今日の課題はそれをしないことにしていたので、

「これも、天のお試しであろうなあ・・・」とぼんやり思った。


「次女ちゃん、深呼吸。深呼吸。スーハースーハーしてみ。

 ハサミのせいじゃないんだよ。落ち着こう。

 まずは落ち着かないと、折り紙は上手に出来ないんだよ。

 泣くなら泣く。で、きちんと泣き終わったら、折り紙してご覧。」


次女は深呼吸を試すが、肩で息をしているのが直らない。

そんな状態のまま、懲りずに折り紙を切るので、また失敗する。

無惨に切り取られた折り紙の、ゴミの山だけが出来ていく。


「半分にまず折ってから切ると、左右同じ形になるよ。」

とアドバイスして、私が1枚やってあげると、

「何でいまさら言うの。もう好きな色、切っちゃった!ワーー!

 ママのせいで全然うまく行かないんだから!」

と、また泣く。うーん。お試し時間、長いわ。とほほ。


言っておくが、私はこの日、猛烈に気持ちが落ち込んでいた。

だから、次女の件が勃発する前からしんどかった。

そんな日にこれほど泣かれると、エナジーはエンプティ。

ここで次女を怒鳴ることが出来たら、さぞスッキリするだろうに。

が、私はその安易な行動を、頑なに拒んだ。


さらに、この日は長女の学校の面談が夕方に控えていた。

次女には留守番していてもらおうと思っていた。

が、この状態の次女をひとり、留守番させて平気だろうか。


「カラオケに行けなかった → 置いてけぼりにされた」

「面談に連れて行ってくれなかった → 同上」

という同じ流れになってしまうように思えたので、決断。


「次女ちゃんも、お姉ちゃんの学校に一緒に行こうか。

 ただし、ついてくるなら、ママの言うことを聞いて。

 靴下はいて。泣き止んで。お絵かき帳を準備して。」

と次女に言うと、少し冷静になったのか、

「うん!」と動き始めた。


長女は、うるさい次女がついてくるという話になったので、

うんざりした様子だったが、あきらめてくれた。


3人で手をつないで学校に向かう頃には、

次女の機嫌はずいぶんと良くなっていたので安心した。


次は長女の方がナーバスになってきて、

「きっと面談では自分の日頃の態度で

 色々先生に怒られるに決まってる。ずっと黙ってるからね」

と道中、私にブツブツ言うのだった。

私もしんどい。あまり先生としゃべりたくない状態であった。


学校の廊下で待っていると順番が回ってきたので、

クラスルームに入っていく。

次女を近くの席に座らせてもらい、絵を描かせることにする。

 

三者面談が始まると先生は、長女の日頃の点数を

細々と説明してくれたのだが、あまりにもひどい状況だった。

ここで長女に

「あんたいったい学校で何やってんの!」と言いたくなったが、

そのセリフを言ったところで自分がさらにしんどくなるので避けた。

だいたいこんなセリフ、どこかのお芝居みたいで白々しい。


ずっと黙り込んでいる長女に、

「苦手な理科も、テスト勉強したら、いい点が取れたんだよね。

 きっとやれば、どの教科も伸びるんだと思うよ。

 もう少し、頑張ってみようね。あんたは、良い子なんだから。」

とだけポツリと言えた私。


最後に先生が、「優しいお母さんで良かったね」と長女に言ったので、

私はなんだか気恥ずかしくなって

「優しくはないです。今までキレ気味の母親だったので、

 最近は、我慢しているだけのことです」と言ってしまった。

これがこの日の、私の一番の失言であった。

こんなこと説明したって、何の意味もないのにさ。


帰りに先生が教室の張り紙をいちいち説明してくれて、

「私はこんな風にやっているんですよ~♪」と

なんだかほめてもらいたそうなことを言ったのだが、

「まあ、素敵ですね」などとお愛想を言う元気も私には残ってなくて

「はあ。なるほど。」と力無く笑ってから、先生に頭を下げて帰宅した。


夕食作りがしんどかったので、あり合わせの物で間に合わせた。

ご飯を食べたら、やっとホッとした。


「あ~、ご飯を食べたら、ちょっと元気になってきた。

 実はママ、朝からずっと元気がなかったんだ~。」

と長女にもらしたら、

「そうだったの?そういえば、いつもよりかなり無口だったね。」

「うん。しんどいのを隠して、ずっと今日は過ごした。

 横にいてあなたがそれに気づかなかったのなら、成功だ」

「へー。いつもそんな調子だといいね。あはは。」

長女はのんきに笑った。

本人は学校で怒られずに済んだので、気分がいいらしい。


が、この長女のセリフに、私はムカッと来た。

「この野郎。あの成績はいったい何だよ。恥をかかすなよ。

 ちゃんと勉強しろよ。将来どうなるか、わかってんのかよ。」

というセリフが頭を駆けめぐったが、またそれも却下する。

今日はきちんとブレーキがかかる。良いことだ。


私があちこちで急ブレーキを掛けているとも知らず、

長女はなおも、私の怒りのツボをついてくる。


「だいたいさあ、ママが私の勉強を見てくれないから、

 こっちは勉強する気が起きないんだよねー。」


「・・・え?私のせい?わ・た・し・のせいなのか?」

と、私は目を丸くした。長女はニヤニヤする。

「だってさ、勉強見てって言っても、忙しいって皿を洗うじゃん♪」

ほー、そうかい、そうかい・・・。くぅ~。

あんたたちは、すべて私のせいにするのね。

血の涙が出そうになった。

ちくしょー、毒を食らわば皿までだ。


「よし、わかった!今やろう。ほら、コタツの上、片づけたよ。

 今見てあげるから、ドリル持っておいで!」

私は台ふきんでガシガシとテーブルを拭き、やる気をアピール。

ひっこみがつかなくなった長女は、しぶしぶ道具を持ってきた。


そのあと、2時間かけて、勉強を見てやりましたとも。

英語と理科と数学をみっちりと。

長女は入浴後、勉強のしすぎで力つき、

いつもの夜更かし遊びもせずに、健康的に寝ましたとも。


お次は、次女の宿題と明日の仕度を見守りつつ皿を洗い、

次女の添い寝をして、やっと長い一日が終わった。


この一日を振り返ってみれば、

「ヤケを起こさず、よくぞやった」という達成感があった。

(先生への、あのセリフだけが心残りではあったが。)


天のお試しは、合格ですかねえ?・・・だと良いんだけど。


この日の形を土台にして、今後も頑張ろう。


母親業は、日々、修行だよ。ふぅ。