この間、「ユング心理学と仏教」を読んでいたら、
こんな記述が出てきた。
「免疫学の研究によれば、
人体のなかの、神経系、内分泌系、免疫系の
各システムは、それぞれが独立して機能しつつ、
しかもお互いがうまく調和的にはたらいているが
これら三者を統合する中枢神経は存在しない」
・・・ということを、著者の河合隼雄さんは
友人の多田富雄さんから聞いたらしい。
この仕組みを、「スーパーシステム」と呼ぶらしいが、
本を読んで感心してしまった。
宇宙もきっとそんな風な関係だと思う。
空の星、一つ一つは独立して動いているけれども、
俯瞰で全体を眺めると、
宇宙全体がスーパーシステムで成り立っている。
唯一の神様のご意志によって、
それは動かされているという考え方もある。
確かに、あまりにも調和が取れているので、
誰かが指揮棒をふるって統率しているかに見える。
が、実はそれぞれが独立して存在しているのだけれど、
譲り合っているうちに上手に調和している、というような感じ。
それぞれが個々に相手に思いやりを持って、
棲み分けしているのではないだろうか。
むしろ、誰かが自分の思うように調和させなくては、と
無理矢理手を入れようとすると、
その調和は、とたんに壊れてしまう気がする。
浅知恵の人間の手など、本当は必要ない。
むしろ、邪魔なことさえある、と思う。
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この間、朝日新聞で無料で配られる冊子に
こんな話が載っていた。
鹿などの草食動物が草を食べすぎて森の緑を減らすので、
ネットを張って、動物たちの侵入を排除。
そうして、森を守っています、というエコ記事があった。
こういうのって、一見、すばらしいことのように見えるが、
動物たちを排除して森を守ることに
どんな意味があるのだろうか。
私は、記事を読んで腹立たしく思った。
森は、動物たちを養うため、守るための、
宇宙(神)が用意した聖域だと思う。
動物を排除して森を守っても、神は喜ばないだろう。
むしろ、動物たちが森を枯らすまで葉を食べるのは、
人間たちが自分の領土を広げて、
動物たちの環境を減らしたからではないか。
そういう反省もなしに、森(緑)だけ守ればいいんだ、
という考え方は、あまりにも傲慢に思えた。
森のことは森に任せておけばいいのだ。
自分たちが手伝ってやらなきゃだめなんだ、という、
おせっかいな教育ママみたいな態度だと、
自分の大切なものは、逆にどんどん壊れると思う。
もっと自然のサイクルを、長い目で見守りたい。
偏在するスーパーシステムへの信頼が第一。
人間は人間としての分をわきまえて、
これ以上むやみに自然に手を入れるのは止めよう、
と決めればいいんだと思う。