冷凍庫に入っていた抹茶アイス。

誰も好きではないので、ずっと残っていた。


あるとき、それを食べ、半分残した長女が

「ママ、やっぱりダメだった。半分食べて。」と差し出し、

さらに、こんなことを言った。


「ママ~。私ね、自分のプロフィールには

 『抹茶アイスが好き』って書いているんだよ、いつも。」


「は?何を言っているの?

 あなた、抹茶アイスは別に好きじゃないでしょ」


「・・・うん。・・・そうなんだけど。

 以前それを書いたら、

 友達に(その認識が)定着してしまったんだ」


「あらら~。今の内に訂正したら?

 今はもう好きでも何でもないんだよって。

 マンガのキャラじゃあるまいし。

 好き嫌いは変動していいんだよ?」


「うん、そうかもしれないけど・・・」


と、力無く肩を落としながら、長女は去っていった。


あーあ、こりゃあ変更する気はなさそうだね。

というか、変更が出来ないの?何で?


*****


くまのプーさんにこんな話がある。

プーさんはすごくハチミツが大好きなキャラである。

が、どうしても食べられなくなってしまう日があった。

(私の推測だが、たぶん満腹だったのだろう)


すると森のみんなが、

「プーがハチミツを食べられないなんて、変だ」

と騒ぎだし、

「ハチミツを食べられないお前はプーじゃない。

 ニセモノだ。本物はどこにいる?

 ハチミツを多く食べるやつが、プーだ」

ということで、仲間達の中で

ハチミツを一杯食べる人がプーということに。

そこでプーが言うのだ。「じゃ、ぼくは誰?」


「プー=ハチミツが好き」の図式は合っていても、

「ハチミツが好き=プー」とは限らない。


さらにまた、

「プー=ハチミツが好き」が

定着(固定)されてしまうと、

「プー=ハチミツを食べない日がある」

というのを却下されることがある。


ハチミツを食べようが食べまいが、

プーはプーそのものである。

それに気が付かないと、

話は飛んでもない方向に転がっていく。


******


プーの話と同様に、

抹茶アイスを食べようが食べまいが、

長女は長女である。


自分の決めた意見を尊重するのはいいが、

それが過去の意見であり、

今の意見とは明確に違うのならば、

「昔は抹茶好きでしたが、今は違います」

と、正直に伝えて良いと思う。


過去よりも今が大切なのだから。


「過去にあなたがそう言ったのだから、

 それをずっと守るべきである」と

頑なに周りが主張しようが、

それはその人の視野が狭いだけだ、と、私は思う。


人間は変化する。変化してこそ、人間だ。

自分や相手の心が変わることを恐れないようにしたい。

固定化した観念など、鼻息で吹き飛ばせ。

 

「意見を永遠に変更しない」ということが、

どれだけコチコチ頭か。


改善するために変更するならば、

過去の意見が翻ってもいいではないか。


また、それを受け容れる度量をも鍛えたい。


「過去の意見や姿」にしがみつくことにより、

自分自身ががんじがらめになる。

そういうのは、本当につまらないことだと思う。



*****


(追記)

この記事を長女に読ませる気はなかったが、

うっかりタイトルだけを読まれた。


「あれ?”抹茶アイス・・・”って、どんな話?」


まさか、あなたの話だよ、とは言えないので、

「ま、まあ、いいじゃん~♪」と誤魔化した。


長女は

「はーあ。抹茶アイス・・・。トラウマだよぉ・・・」

とつぶやいて、去っていった。


おいおい。大丈夫か、本当に。(汗)