次女には、遊び友達がふたりいる。
仮にAちゃん、Bちゃんとしよう。
そのふたりが、うちの次女を以前
遠くに置き去りにした前科がある。
まあ、それはいいとして。
Aちゃんは、よく家に遊びに来る子だ。
Bちゃんは、Aちゃんとだけ遊びたくて
我が家に時々乱入してくる。
(Bちゃんは、以前の記事にも書いたが、
秘密基地に入れてもらえず泣いた子だ。)
それも、まあいい。
どうやらこの二人は、次女と遊ぶために来る、というより、
我が家で出すオヤツ目当てみたいな所があって、
内心穏やかではない。
あまりにも菓子を請求するので、
「おやつは3時まで待ちなさい」というと、
外に飛び出し、きっちり3時になるとまたやってくる。
ある日など、我が家が4時が門限であるのに、
4時の5分前に「遊ぼう」とやってきて、
「いや、もう、終わりの時間だから・・・」と
家に上げるのをことわると、
「じゃあ、おかしだけもらって帰るね♪」とのたまう。
正直というか何というか。
「はい」と菓子をあげたら、引き返していった。
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ある日のこと、いつもはパソコンを見ていて、
子どもたちに背を向けた状態の私であるが、
今回はその3人で遊んでいる様子を
時々チラ見してみることにした。
「次女ちゃん、問題を作るから目をつぶっていて♪」
と二人は言い、算数の問題をチラシの裏に書き始めた。
次女は言われたとおり、顔を背けている。
すると、二人は示し合わせたかのように
Bちゃんが持ちこんだ菓子を二人だけで食べていた。
(あらら~)と思いつつ無言で観察する私に気が付くと、
二人はバツが悪いのか、さっとビニール袋を隠すのだが、
小学生のやることなんて、ちゃんと見えてますって。
うちの次女にはお菓子をあげる気はないんだね。
まあ、いいけど。
これもまた、私の態度が反映した鏡なんだろうね。
ふと何故か突然、Bちゃんが、私に説明をはじめた。
「うちのお姉ちゃんがね、この間、プリンを作ったのね。
お姉ちゃんが”あげる”って言ったから、
私(B)とAちゃんが”わーい、やったー”って言ったの。
そうしたら、次女ちゃんも”わーい、やったー”って言うんだよ。
次女ちゃんはすぐ人の物を欲しがるから困るよね。」
え?・・・その話の流れ、うちの次女が悪いんですか?
目が点。どういう論理か。ムカッと来る気持ちがわく。
「ふーん。そう。」とBちゃんの話に頷くのが精一杯。
で、そうこうしているうちに
彼女たちの作る算数の問題が出来たのだが、
「2000+5=」とかいう、やたらと桁の多い問題。
次女は、算数が苦手だから、そりゃ無理だろ、みたいな。
で、それをやらせて、まちがえると、
「あー、次女ちゃん、また間違えた~」とか笑うの。
うーむ。いじめっぽい。デジャブ。
なんだか昔された、痛い過去を思い出してしまう。
口出ししないよう、ずっと黙って見ているが、しまいには
「お前ら、もー、帰れ!」とか言いたくなる。ぐっと抑える。
おやつをあげてもまだお腹が空くというので、
おにぎりを作ってあげた。が、二人は食べない。
次女だけ、美味しそうにほおばっている。
その日は休日だったんだけど、
二人ともお昼ご飯、食べていない、って言う。
Aちゃんは今日の食べない理由を言わないが、
普段からあまり手の込んだ料理は食べていないらしい。
以前私が夕食用にカレーを作っているとき、
「いいなあ、カレー。お母さん、作ってくれないから。」
とぼそりと以前言ってたことがあるし。
Bちゃんは本日、
「お母さんが仕事に行っていて7時まで帰らないから、
作ってあったちらし寿司を食べたけど、
ちょっとしか食べなかった。
お父さんはインフルエンザで今家で寝てるんだ」
と説明してくれた。
なんだか、そんな二人の話や様子を見ていたら、
先ほどまでの怒りよりも
じんわりと悲しみが胸に迫ってきて、
(君たち、・・・ふびんよのお。)と思うのだった。
かといって、それで次女をいじめていいのかというと
話は全然別なのであるが。
チョコスプレッドを塗った食パンを与えたら、
それは食べてくれて、あとは3人で外に飛び出していった。
出来れば、同じ社宅の子たちと遊んでくれたらいいのに。
・・・と、母は密かに願うのだが、
次女本人が、AちゃんBちゃんと遊びたがるのだから
それはもうどうしようもないことだ。口は出せない。
次女が彼女たちから学ぶことは、とても大きいだろう。
かつての私が、当時つらかったけど色々学べたように。
次女の受けるつらさは、
そっと私が見守っていてあげようと思う。
親とは、そういう存在なのだろうと思うから。