(この記事は、12月4日に書いている。)


先日、小1の子どもたち4人だけで

遠方の大型公園に、親に無断で遊びに行き、

うちの次女だけ残して

残りは帰宅してしまった事件があり、

迷子になった次女はその後警察に保護され、

無事に家に戻ってきた話をブログに書いた。

(迷子になったのは、11月23日)


ずいぶん日が経った昨日(12月3日)になって、

先に家に戻ったお子さんのお家から

「今までまったく経緯を知らず、すみませんでした」

という謝罪の電話が来た。


「もう終わったことなので、いいんですよ。

 これからも次女と遊んでやってくださいね♪」

と私は明るく応対し、電話を切った。


そう、私にとっては、それはもう終わったこと。

なのに、今頃、電話をされてもなあ・・・と思った。

そう思った途端、次女の行方がわからず

無茶苦茶不安だったあの当時の気持ちが

ブワッと胸にせまってきて苦しくなってきた。

(フラッシュバック状態)


なんだろう、この気持ち。

「もう過ぎたことだ」と口では言いながら、

本当は腹立たしい思いが鬱積している?


頭の中で、PTA懇談会みたいな情景が浮かび、

たくさんのお母さん方の中で

被害者側の私が事の経緯を説明し、

相手方のお母さん方を責めている様子を

鮮明にイメージしてしまった。

こんな風な展開を、私は望んでいるのか?


先ほどの電話では、「表」向きの「許す」を出して、

「裏」では「許せない」と思っているのだろうか。

裏と表、どっちが本当の私の気持ちだろうか。


・・・いや、どっちが、ではない。どっちも私だ!


トランプのカード1枚が私の実体だとしたら、

「裏」も「表」も両方私だ。

(カードではなく、コインとして考えても良いが、

 私はカードとして考えるのが好き。)


社会に対して、私は「表」を出すが、

一人っきりの時も、私は自分に「表」を出したい。


「対・社会」と「対・自分」、どちらの状況が大切かというと、

一人きりで自分と対峙するときの方だ。

自分には嘘をつきたくない。

自分に対して、カードを表にするか裏にするか。



と、考えていたら、裏側が騒ぎ出す。

「そんなに簡単に許しちゃっていいわけ?!」


なので、裏側の言い分を全部聞いたあと、質問。

「うん、あなたの意見はわかった。

 でもさあ、そうやって

 ずっと許さない気持ちでいたとき、

 どんなメリットが今後あるの?教えて。」


「・・・メリット?」


「そうだよ。許す方の表を選択したとき、

 ”私”は確実に心安らかになるんだよ。

 それに、次女は友達を無くさなくて済む。

 もし、私が大騒ぎしたら、近所の輪も乱れる。

 お互い、ずっと嫌な気持ちのままだよ?

 それでも、裏の方にしたいと言うなら、

 どんな良いことがあるのか、ってこと」


「そんなものは、ない。・・・ただ、損をしたくない。」


「うん。そうだね。でも、裏でいたら、もっと損するよ。

 Win-Winでいこうよ。

 ところで裏ちゃん、私の代わりに

 今さっき怒ってくれて、ありがとうね。」


裏の私と握手すると、納得したのか裏はそっと元に戻った。

カードは、表側を静かに見せている。


裏も表も私。選択肢の1つ。

どっちを選んでも良いんだ。私自身が納得すれば。


表の私は、言う。

「良かったね。表と裏の使い方がわかったね。

 このことを気づかせてくれた、

 電話してくれた●ちゃんのお母さんに感謝だね。」


ああ、本当にそうだ。

あの一本の電話が、ここまで私を揺さぶった。

おかげで又一つ大切なことを知った。


今の心にわき起こる気持ちは、「感謝」と

そして、今までにはなかった本当の「尊敬」の気持ち。


こんな頑固な私なのに、

どうしてこの世の人たちは皆

こんなにも根気よく私を指導してくれるのだろう。

なんとありがたいことだろう。


こちらにとって嫌なことをしてくる相手に対してさえ、

深い尊敬の念がわき起こってきた。


尊敬とは、世間的な尺度で偉業を成し遂げた人に

対してだけに持つ気持ちでは無かった、と知る。

相手の存在そのものに畏敬の念を抱いた。


私はたった一人で、自力のみで生きてきたのではない。

周りの支えがあってこそだった。

ありがたいなあ。うれしいなあ。幸せだなあ。泣ける。


外に飛び出して、

すべての人々に心を込めてお礼の握手をしたくなった。


みなさん、本当にありがとう。



・・・ふと気になったので、カードの裏の様子を見たら、

体を横たえて、昼寝をし始めていた。


うん、そのまま、静かに寝てて下さい。次の出番まで。


カードは「許す」か「許さないか」の二面しかない。

そして、どちらかしか選べない。

一方を選べば、もう一方は、眠るだけだ。