ある日、娘達とマクドナルドへ出掛けた。
すごく体調が悪く、気分も優れなかった。
けれど、無理矢理、口角を上げ、笑顔を作って
カウンターに向かい、注文した。
マックの店員さんは、
びっくりするほど笑顔で親切で、
なんだか救われたような思いがした。
別のある日。違うマック店。
その日はとりたてて気分の凹みもなかったが、
ちょっとした出来心で、不機嫌な顔で
カウンター注文してみた。
すると、その店員さんは
いちおう応対は丁寧なのだが、
あまり嬉しくないサービスが戻ってきた。
笑顔でいると、笑顔が返ってくる。
不機嫌な顔でいると、不機嫌なことが返ってくる。
なるほどなあと思った。
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アスペルガーの人たちは、笑顔が少ない。
というか、思いが顔に表れにくいらしい。
苦しい、というとき、それが顔に出ない。
悲しい、というときも。嬉しいというときも。
(本でそう書いてあった。
でもそれが本当かは知らない。
だって自分以外のアスペルガーさんを
面と向かって見たことがないから。)
私事だが、普通に哲学的な妄想にふけっていたら、
「何を怒っているの?」と言われたこともある。
別に怒っていた訳じゃない。
単に、表情に気を配っていなかっただけ。
考え事をすると、眉間に縦ジワが出来るだけ。
アスペルガーである自分をありのまま受け容れて、
「笑顔でいられないなら、無理にする必要もないかも」
と、そのままの自分でOKと一応納得したこともあるが、
一見、不機嫌な顔のままや無表情のままで
自分の顔をほったらかしておくと、
どうも周りからの風当たりが強く感じるし、
こちらの正確な思いを読み取ってくれないのはやはり悲しい。
「顔の演技とか恥ずかしいし、面倒。」
「どうせ笑顔なんて、できっこないし~」
などと開き直らないで、
多少は地球人に合わせるくらいの
柔らかさが必要かも、と思った。
笑顔でいる、というのは、結局、自分のためなのだろう。
笑顔の練習をしよう。
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(余談)
あ、苦しいとか、痛いを表現する顔も練習しよう。
そうすれば、急病で救急車を呼んで欲しいとき、
その表情一つで、地球人が動いてくれる(こともある)。
何も言わずとも、
顔の表現で伝えられるというのは便利だ。
表情を読める地球人ってすごいなあ。しみじみ。
私には、相手の表情が読めない。
ボディランゲージがわからない。
「痛い」とか「苦しい」とか「腹が立つ」とか
正直に正確にはっきり言ってくれないと、
相手の思っていることがちっともわからない。
相手が眉をひそめているだけで、
それが私への侮蔑なのか、
相手が腹痛を感じているのか、
近眼だから目を細めているのか、
金欠で悩んでいるのかなどを、
どうやって正確に知るというのか?
ただ相手が眉をひそめているという
そのものの姿しか、わからない。
いやさ、うっかりすると、眉のひそみにさえ
気が付かないことが多い。
相手が机を指でトントンする時も
「何だろう。モールス信号?」と思っていたら、
実は「早く帰れ」という意味だったりして。
それならそうと、はっきり言ってくれればいい。
会うたびに腕をバシバシたたいてくるから
相手のことを嫌だなあと思ったら、
むこうからすれば、それは単に私に触りたいだけで
実はこちらに好意を持っていた、とか言われても、
そんなのわかるかい。
地球人だけに通用するテレパシーとかが
あるのかもしれないなあ・・・。
でも、そんなのは、波長が違うからわからんよ。
アスペの私は、地球人のボディランゲージを
もっと勉強する必要があるな、きっと。