結婚してからずっと、

私は夫に尻を蹴られまくってきた。


まあ、アザが出来るほど、ではない。

軽く体が揺れる程度だ。

たぶん、夫からすれば、

私への愛情表現のひとつだと思う。


が、床に新聞を広げ、

土下座状態で静かに読んでいるときに、

急にガボンと蹴られると、いい気持ちはしない。


「何するの。やめてよ~」と何度言っても、

夫は笑うだけで、全然止める気配はなかった。


が、ある時から、まったく蹴られなくなった。


ターゲットは、私から長女になった。


長女は、暇になると床にゴロゴロするので、

確かに蹴られても仕方がないかもしれない。


が、私の新聞の読み方も、以前と変わらず、

土下座状態である。


自然と蹴られなくなったことで、

最初は、『私への愛がなくなったのだろうか?』と

物足りなさ(!)さえ、感じたりもした。


けれど、実のところ、

軽度であっても蹴られるというのは嫌なので、

被害が及ばなくなったのは、正直、嬉しい。


たぶん、蹴られるたびに、いちいち

大げさに反応しなくなったからだと思う。

「やめてよ」とかまったく言わなくなった。

蹴られるまま、無視して新聞を読み続けた。

この態度が良かったように思う。


長女にも、「パパが蹴ってきても、無視すれば?」と

そっと伝授してあげた。

が、長女はその意見に耳を貸さず、蹴られるたびに、

「何だよ~、も~!!」と口で反撃するのをやめない。

そして、夫もその反応が楽しくて、さらにやる。


まあこれも、一種のスキンシップかなあ。

夫は他に、スキンシップを知らないのだろうなあ。

・・・などと、二人のやりとりを見ながら、

ぼんやりと考える。