「天地水 月光浴」の写真集を見た。


満月の夜にだけ撮影した写真。


月明かりだけで、

こんなにも地球を明るく照らせるなんて。


写真にあるのは、ただただ静寂な時間。


地殻の変動で四角く切り出された大岩が、

雨風を受けて、少しずつ少しずつ丸くなっている。


約17億年とか、

猛烈に気の遠くなるような、長い時間をかけて。


それでも、完璧な球にはほど遠くて、

出来損ないのおにぎりのような

ゴロンとした丸い岩が、

月に向かって、

何かを語りかけているような気がする。


隣には、似たような丸い岩があって。

そっちも完璧な球じゃなくて。


それでも。


お互いの歴史を、静かに語り合っている。


月光浴の写真集を見ていたら、

私もなんだかそこに立っているような

錯覚を起こした。


月明かりのシャワーを浴びながら、

心で岩たちに切なくつぶやく。


私も、丸くなりたいんです。

でも、なかなかなれなくて・・・。


するとその大岩は、たくさんのことを

教えてくれた。


全ては、レットイットビーであること。


無いからこそ、わかることがあるということ。


部分ではなく、全体を見るということ。


石は、ひとつとして同じ形じゃないのに、

自分らしく、そこにいるということ・・・。



涙があふれて止まらない。


私は、この大岩の話を聞くために、

ここまで導かれたのかもしれない、とふと思う。



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