夢を見た。


ある男性が、一人の独身女性をくどいていた。


その女性は、まんざらではなさそうだった。


ところが、その男性は実は妻子持ちであり、

しかも既婚者の私にまで

誘惑的な言葉をかけてくるので頭に来た。


先ほどの独身女性に、

「あの男性は誠実じゃないようだから、

 お付き合いしない方が良いよ」

と忠告した。


すると、その女性は

「私の幸福を踏みにじらないでよ!!」と

すごい剣幕で私に怒鳴るのだった。


****


ハッと目が覚めて、夢の内容を反芻する。


今までの私だったら、その独身女性が

幸せになろうが不幸になろうが

それは本人の人生なので

口出ししたりしなかっただろう。


なのに、夢の私は、かなりおせっかいだった気がする。

忠告すべきではなかったかも。


とはいえ、夢の続きでその女性が不幸になったとき、

「どうして事前に教えてくれなかったのか?」と

詰め寄られるのも嫌なのだ。


事実だけ伝えれば良かったかも。

「あの男性は、私にも甘い声をかけていたよ」と。


う~ん、それも告げ口になってしまうのか。


どないしたら、ええんや。


そこで、はたと思い至った。

私は夢の中の自分のセリフに対して、

まったく罪悪感を感じていなかった。


独身女性が不幸にならないようにと、

私は精一杯の気持ちを込めて伝えたつもりだった。


ならば、それで良いではないか。


女性が怒ろうが何だろうが、

私は私の思うとおり、彼女のためを思って声をかけた。


動機が大切なんだ。


そう気が付いたので、

夢は、あれで良かったのだ、と思うことにした。


昔の私は、他人の人生に果てしなく無関心で、

「勝手に不幸になればいい」とさえ思っていた。

なのに、彼女のためにと声をかけるなんて、

人間が円くなったものだ。

これも進歩といえば進歩なのだろう。


(11月27日記す)