夢を見た。
ある男性が、一人の独身女性をくどいていた。
その女性は、まんざらではなさそうだった。
ところが、その男性は実は妻子持ちであり、
しかも既婚者の私にまで
誘惑的な言葉をかけてくるので頭に来た。
先ほどの独身女性に、
「あの男性は誠実じゃないようだから、
お付き合いしない方が良いよ」
と忠告した。
すると、その女性は
「私の幸福を踏みにじらないでよ!!」と
すごい剣幕で私に怒鳴るのだった。
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ハッと目が覚めて、夢の内容を反芻する。
今までの私だったら、その独身女性が
幸せになろうが不幸になろうが
それは本人の人生なので
口出ししたりしなかっただろう。
なのに、夢の私は、かなりおせっかいだった気がする。
忠告すべきではなかったかも。
とはいえ、夢の続きでその女性が不幸になったとき、
「どうして事前に教えてくれなかったのか?」と
詰め寄られるのも嫌なのだ。
事実だけ伝えれば良かったかも。
「あの男性は、私にも甘い声をかけていたよ」と。
う~ん、それも告げ口になってしまうのか。
どないしたら、ええんや。
そこで、はたと思い至った。
私は夢の中の自分のセリフに対して、
まったく罪悪感を感じていなかった。
独身女性が不幸にならないようにと、
私は精一杯の気持ちを込めて伝えたつもりだった。
ならば、それで良いではないか。
女性が怒ろうが何だろうが、
私は私の思うとおり、彼女のためを思って声をかけた。
動機が大切なんだ。
そう気が付いたので、
夢は、あれで良かったのだ、と思うことにした。
昔の私は、他人の人生に果てしなく無関心で、
「勝手に不幸になればいい」とさえ思っていた。
なのに、彼女のためにと声をかけるなんて、
人間が円くなったものだ。
これも進歩といえば進歩なのだろう。
(11月27日記す)