私は、普段、割と物事を冷静に受けとめる方だと

自分では思ってはいるのだが、

身内に対してだけは制御がきかず

カーッと血が上ることが多い。


何気ない家族の一挙手一投足が許せなくて、

「なんでそんなことをするんだ」と

時々イライラしてしまう。


家族に対しての怒りさえ収まれば、

私はすぐにでも弥勒菩薩になれそうだが、

そうは問屋がおろさない。


でも、本当は、家族が悪いのではない。

家族の言動を私が勝手に翻訳間違えして、

一人でイライラして、アホウのようにキレているだけだ。

わかっている。わかっているけど、当たり散らしてしまう。


私の話を聞いてくれなかった。

ただそれだけのことなのに、次女を怒鳴ってしまった。

怒鳴ってハッとし、「あ~あ、なんだかなあ・・・」と我に返る。

つまらないこと。本当に取るに足らないことなのに、

また、角が生えてしまった。


いや、もう、この角はずっと持っているのだ。

生まれつきだ。私は鬼なのだ、そうなのだ。


外面が良いのは、上手に角を隠せているだけだ。

でも、家族には甘えがあるから、出してしまう。

この相手には怒っても良い。そんな甘えがある。


甘っちょろい怒りが爆発すると、隠していた角が

ツクシのように頭の天辺からにょっきり出てくる。


今までは、その角に対して、

あとから「こいつめ!」と殴りつけていたが、

当然、その角が悪いわけでもない。

鬼として生まれたからといって、

鬼のように生きる必要はない。

生き方は、私が決められるのだ。


まず、やるべきことは、

当たり散らして嫌な思いをさせた相手に

「ごめんなさい。」と素直に謝ること。


そして、自分の角をナデナデする。

怒る素質のある自分を再確認。

自分が鬼であることを再確認。

鬼だからこそ、改善出来る余地がある。


怒っては、我が身を振り返って、角をナデナデ。

強く反省した分、ナデナデも強くする。


は~、なんと立派な角だろう。

立派な鬼だよ。そのままで。

だから、わざわざ正体を見せつけなくても良いんだよ。

自分が強いとわかってるなら、弱い奴に優しくしてやれよ。

それが、さらに自分を強くするのさ。

いちいち、角をさらけ出す必要なんてないのさ。

(・・・あ、なんだか、歌に出来そう。)


そんなことを思いつつ、ナデナデ、ナデナデ、していたら、

そのうち摩耗して、角が小さくなるかもしれない。

角を出さなくても、

もっと心が強くなっているかもしれない。


そんな気の長い野望を秘めながら、

今日も角をつるりとなでる・・・。


そういえば、結婚する時の和装に「角隠し」がある。


結婚したら、元々の角を隠しておけよ、

冷静になれよ、という意味なのかもしれない。


鬼嫁に角は付き物だが、

それを上手に隠して、笑顔で家族のために働くのが、

真のスーパー主婦なのかもしれない。



(10月21日 記す)