人とのおつきあいがずっと苦手だった。
人のことを信頼出来ない自分。
心を開けない自分。
なんと孤独なのだろう。
そう思って、長い間、生きてきた気がする。
でも、それは、自分の思いこみだったかもしれないと、
やっと気が付いた。
「一生、誰とも信頼関係を築けないだろう」とか
「どんな人にも心を開けないに違いない」とか、
つまらないレッテルを自分で貼り付けていた。
そんなレッテルは、もう、剥がしてしまおう。
自分は決して、誰ともつきあえない訳じゃない。
付き合いたい人と、付き合おう。
無理をするのは止めよう。
自分の暗示に振り回されないようにしよう。
****
昔は、他人との間に高い高い壁を作っていた。
バリケードを身に纏っていた。
トゲトゲを相手に向けて張り出し、
鉄条網をぐるぐると巻き付けていた。
さらには、ヘルメットをかぶり、周囲を伺っていた。
相手が近づくことも、自分から出ていくこともイヤだった。
傷つくことを猛烈に恐れていた。
でも、今は。
自分の周りには、薔薇いっぱいの垣根が出来ている。
それは、とても低い高さ。周りが見通せる。
そして、しっかりした作り。
垣根は高くも低くもない。
居心地の良い高さ。垣根の中は、居心地の良い広さ。
垣根の薔薇は、まだ時々、私や周りの人を傷つけたりする。
でも、それは、必要最低限の時だけ。
故意にやったりはしない・・・つもり。
もし、傷つけてしまったらゴメン。次は気を付けます。
私は私を守る。でも、必要以上には、もうやらない。
垣根越しに、私は人と付き合うことにしよう。
垣根からは、いつも私の上半身が出ている。
だから、いつでも応対出来る。
応対したくない人には、「ごめん」と言って、
くるりと背を向けよう。
冷たいと言われても仕方がない。
全員と仲良くなれるのは、現状の私には無理だ。
もう、それで良いんじゃないか。そう思っている。
無理に垣根の戸を開けて、
誰でもどうぞ、では私が疲れてしまう。
相手も私も疲れない。そんな距離感が一番良い。
*****
それにしても、ここまでたどり着くのは長かった。
無防備に全員を入れて四苦八苦したことも、
バリケード時代のことも、とても勉強になった。
いろんな体験をして、
やっと今の垣根の高さがわかってきた。
人生に無駄なし。