「夜と霧」 新版を読む。
著者のフランクル医師はユダヤ人だったので、
ナチスに掴まり、強制収容所に入れられてしまう。
そこでの過酷な日々、どのようなことを考えて
過ごしてきたのかを、心理学者の目から書いている。
私がこの本を読んで一番感銘を受けたのは、
人間には二通りあるという部分だった。
「良い人間と悪い人間」。
虐げるナチス側をAグループとし、
収容される側をBグループと分けてみても、
Aの中に「良い人間と悪い人間」が混在しているし、
Bの中にもその二種類がいるのだという。
Aグループには、Bグループに対して、
まったく無慈悲に残酷に、人でなしの扱いをする人がいた。
しかし、中には、自分のポケットマネーから
こっそり薬を買っては、自分の囚人に与える人がいた。
Bグループには、自分のグループに対してさえ、
サディスティックに振る舞う人がいた。
しかし、中には、いつ死ぬかわからない状況の中でも
他者に対して思いやりを忘れぬ人がいた。
つまり、自分の所属が、Aだろうが、Bだろうが、
どのようにふるまうかは、個々の人間性に寄るのだ。
それを読んで、なんだかとても安心した。
もし、自分が囚人側だったら、
ナチス側のやり方をただただ悲しく思うだけで済むが、
もし、自分がナチス側だったら、
自分は残酷な人間にならなくてはならないのかと、
ちょっと心配していた。
けれども、自分が虐げるグループ側だったとしても、
それを鵜呑みにして右倣えする必要は無い、
ということを教えてくれた。
それが、私の気持ちを救ってくれた。
みんなが「当然のことだから、やれ」と言うことでも、
もしそれが、天の理に反していることなら、
私はやらなくても良いのだ。
神様がそれを許してくださるのだ。
AとB、どちら側にいても、
AとB両方を愛せる人間に、私はなりたい。
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