最近読んでいるのは、「暮らしうるおう江戸しぐさ」。
朝日新聞に連載されているときから、このコラムが好きだった。
やはり好評だったのか、本になったので買ってみた。
とても勉強になることが多いので、何度も読み返したい本だ。
その中で、今回、気に入った部分があったので、
それをここに書きたい。
江戸時代の人は、とてもプライバシーを尊重していて、
他人の生活にあれこれ口を出さなかったらしい。
「おでかけですか?」「ちょっとそこまで」「いってらっしゃい」
相手がどこへ行くのか、深入りしない。
自分がどこへ行くのか、いちいち言わない。
でも、そこに、温かい空気が流れる。素敵ではないか。
会話の中に、意味なんてないかもしれない。
が、声を掛け合うことにこそ、意味がある。そんな気がする。
相手にとって都合の悪いところを見かけてしまった場合、
江戸時代の人は「見て見ぬふり」をしたそうだ。
今の人はどうだろう。
たとえば、友人の旦那が不倫していた所を見てしまったら。
すぐさま、その友人に伝えるのではないか?
「あなたの旦那、浮気してたわよ。私、見ちゃったもの~。」
そんな一言で、友人の家庭を壊してしまったら、
壊したのは旦那ではなく、それを告げ口した自分になる。
かといって、たとえば、社会の窓が開いている男性に、
ずっと誰も注意しないというのも、哀れな気もする。
そんなわけで、どうしたらいいのか判断がつかなくなる。
ところが、この本には、このように素敵に書いてある。
「相手を思う気持ちがなければ、スマートな言動は
とっさに出てこないものです。
江戸しぐさはケースバイケース。
その時々の瞬時の判断は、
常日頃の精進の結果と考えられていました。」(P.78)
”常日頃の精進の結果”!!!
こういう言葉に、本当に弱い私。精進小僧、ここにあり。
そんなわけで、またまた、「よ~し、がんばるぞ~」などと、
妙に肩に力が入ってしまうのだった。
とても良い本なので、書店などで見かけたら
お手にとってパラパラと読んでみてくださいね。
コラム集なので、すぐ読めます。
もちろん、買っても損はないと思いますよ。
- 暮らしうるおう江戸しぐさ/越川 禮子
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