最近、「斎藤さん」というドラマをやっているらしい。
実際には見ていないのだが、ある日、
このドラマの特集をやっていたのでちらっと見てみた。
ドラマの主人公は斎藤さんという名の若い女性で、
禁煙場所で喫煙する人を注意したり、
分別していないゴミを持ってくる人を注意するなど、
とにかく、言いたいことをズバッと言う人物なのだそうだ。
これをテレビで見た人は、
「自分が言えないことを言ってくれるのですっきりする」と
コメントをしており、おおむね評判の良いドラマのようだ。
心の中にわだかまっている不満を出さないでいると、
確かに欲求不満になるかもしれない。
だが、果たして、それをすぐさま口にして良いかどうか。
まずは、考えてみるべきではないだろうか。
誰かを注意することで、その誰かにとって、ためになるのかどうか。
その辺が、キーポイントだ。
公衆の面前で、その人を大声で注意したときに、
その人は恥をかかないだろうか。
恥をかかせてしまった場合、注意した内容云々より、
プライドが傷ついたことを根に持つ可能性が高い。
また、注意する自分が偉いと過信してはならない。
相手をおとしめることで自分の地位を上げようとするのは
とても恥ずかしいことだ。
自分だって、間違えて同じ事をしてしまうかもしれない。
そのときに、自分が注意した時と同じセリフを言われたら、
自分はどんな気持ちになるか、まず考えるべきだ。
たとえば、禁煙場所で喫煙している人を見かけたら、
その人を注意するかどうかは、見た人の自由だ。
忠告しても良いし、しなくても良い。
自分は禁煙場所ではしないでおこう、と考えるだけでも良い。
自分も吸いたい、と思ったら、自分は喫煙場所に行けばいい。
変な正義感に駆られて、
「注意しなくちゃいけないだろうか。」と迷うくらいなら、
「自分はその煙を吸いたくないな」と、
すっと離れた方が精神衛生上、良いに決まってる。
さて、ドラマの斎藤さんは、どんな気持ちで
相手を注意しているのだろうか。
「自分の言っていることは全部正しい。だから、言う。」
「腹が立ったら、自分の気持ちをぶつければスカッとする。」
そういう偏った正義感や不満のはけ口として
相手にくってかかるのならば、いつか痛い目に遭うだろう。
自分のしたことは、いつか自分に返ってくるからだ。
そうではなくて、本当に相手の立場を思いやれば、
どういう風に言ってあげたらよいか、おのずとわかってくる。
・相手が何故それをしているのか尋ねてみる
・恥をかかせない
・同じ目線で話す
・ソフトな口調で合理的に説明する
以上の注意点を頭に入れたら、こういうセリフが出てくるだろう。
「タバコをお吸いになりたいのですね。
ここは禁煙になっているので、大変申しわけありませんが、
あちらの喫煙コーナーでお願いします」
では、悪い例。↓
「ここでタバコを吸っちゃダメだろう!禁煙って書いてあるだろ。
何やっているんだ、貴様!」
さて、どちらが良いセリフか、もうおわかりですね?
どうしても言いたいことがあるなら
言っても構わないのだけれど、
ただ、言い方を少し考えるだけで、人間関係は劇的に変わる。
ドラマの「斎藤さん」の真似をして、
それがたとえ正論だろうと相手が傷つくのも構わず
ズバズバ自分の言いたいことを言うことが
まったく正しいことだと思い込む人が増えたら
すごく世知辛い世の中になってしまうので、
老婆心ながら、ちょっと書いてみました。
もちろん、こうやって書いている自分も
いつ他人様を傷つけるかわからないのだけれど、
なるべく努力して、いつでも誠意ある態度を心がけたいと思う。
(もしドラマの斎藤さんが、愛情のあふれる人として
描かれているのなら、私の記事は蛇足です。)