先日のビストロSMAPで、

女優のジェーン・バーキンがゲストだった。


バーキンと言えば、エルメスのバッグが有名だが、

このカバンを発注したのが彼女だそうだ。

(ブランドのことをよく知らないので、初耳だった)


このビストロ宛てに

フランス大使館から大きな花輪が届いたくらいなので、

超大物ゲスト。

ハリウッドスターのようにツンとすました女性だろうと思った。


ところが、出てきたのは、気さくさ漂うオバサンで、

料理研究家の平野レミさんみたいな人だった。

よく笑い、よくしゃべり、よく食べる、普通の人。

上下灰色のニット?もとってもラフで、

ユニクロで買ったんじゃないか、

というくらいの気楽な服装だった。


彼女が持参したバッグはもちろんバーキンで、

中居君が「バーキンがバーキン持ってる~」と叫ぶ。

しかしそのカバンの扱いが相当すごいことになっていた。


ちゃんと鳴る小さなハーモニカをぶら下げているし、

パンパンにふくれあがっていて、フタが閉まらない状態。

中には乱雑に突っ込まれた歌詞の紙束や

まるめた靴下、しわくちゃの紙幣が飛び出している財布などで、

それらは持ち主を、おおざっぱな性格だと語っていた。


一番特筆すべきは、料理対決で勝利した、

草薙くんと木村くんに限定のバーキンバッグを

ジェーンが一つずつプレゼントしたとき。


「これ、男が持っていても良いカバンなんですかね?」

と木村くんが尋ねた途端、ジェーンは

たった今手渡したばかりのカバンをすっと手に取り、

その場で床にたたきつけ、踏みつけにしたのである。


あのブランドのバッグをガンガンと・・・。

ブランド志向の日本人なら、考えられない暴挙である。

スタジオの場が凍り付いたようにシーンとした。

あまりの素早い彼女の行動に対処出来る人は、ひとりもいなかった。


両手でグシャグシャに揉みしごいたり、

自分のカバンの中から私物を取りだして、

木村くん用のカバンに突っ込み、彼のカバンも

同じようにパンパンにしてしまった。

もう、元のような形にはなっていない。


ジェーンは木村くんにカバンを返し、

「カバンに自分の色を付けてね」とにっこりした。

カバンへの暴挙は、最初の使いづらい固さを

とってあげるという、彼女なりの思いやりだったのだ。


彼女にとって、ブランドは「そんなの関係ね~ぇ」だった。


そんな天真爛漫さを見て、私はとても彼女に好感が持てた。

ブランドは実はあまり好きではなかったのだが、

彼女がデザインしたバッグなら持ってみたいとさえ思った。


ジェーンは、最初から最後まで、ずっと自然体だった。

その自然体は、とても温かで奔放で、人に優しかった。

彼女のように明るくたくましく生きたいと思う。


ちなみに私はセリーヌの小振りのリュックを

結婚してすぐ、夫からプレゼントしてもらったが、

それを普段使いにしてスーパーで買い物をし、

買ったタマネギやジャガイモ、カット大根を

そのリュックに突っ込んで帰宅するのが日課である。

(言っておくが、我が家は裕福ではない。)


もう、ボロボロになっている、私のセリーヌ。

でも、すごくなじんでいて、私の体の一部のようである。


ブランドはキレイに使って、売り飛ばす物ではないと思う。


何度も修理して長く使う方が、当のカバンもきっと幸せだろう。