昨日に引き続き、好きなマンガの話。


「はみだしっ子」というマンガが

多感な頃、お気に入りだった。


世間的にはみだしてしまった4人の子どもが

各地を転々と放浪していく話だ。

(以下、資料が手元にないので、思い出しながら書く。)


黒髪で最年長のグレアムは

ピアニストでワンマンな父親にスパルタ教育を受ける。

その生活に耐えられない母は男を作って逃げ、

グレアムも父から逃げた。

4人の内、年齢が一番上なのでリーダーっぽい立場だが、

残りの3人にいつも悩まされている。


銀髪のアンジーは、売れっ子女優の私生児で、

世間から隠されて育てられた。

小児麻痺で高熱を出しても母は来ず、捨てられたと感じる。

口は悪いが、4人の中で一番母性的な思いが強い。


茶髪のサーニンは、

自分の祖父と夫との狭間で精神を病んだ母を失い、

世界から心を閉ざしてしまう。

動物とのふれあいで、なぐさめを見いだす。


金髪のマックスは最年少で、トラブルメーカーだ。

動物虐待をして楽しんでいる父親を見て

自分もいつか殺されるかもと脅迫観念的な思いを抱く。


それぞれ家を飛び出した彼らは、いつの間にか

肩を寄り添いグループとなって、行動を共にする。

10歳以下の彼らにとって、世間はどう見えるのだろう。

親のいない彼らに、世間も厳しい。

それでも4人は、必死に、とにかく生きていこうとする。


最終的に4人は安住の地を見いだすのだが、

グレアムだけがその場所になじむことが出来ず

自殺未遂まで起こしてしまう。


死にきれなかったグレアムの問題が宙に浮かんだまま、

この話はぷつりとエンディングを迎えてしまう。


このマンガを何度も何度も読み返しては、

グレアムの心を捉えようと必死になった私。


このままでは、あまりにもグレアムが不憫でならない。


どうしたら彼が立ち直ることが出来るのだろう、

なんとか立ち直らせてあげたい!

その答えを、読んだ当時からずっとずっと考え続けて、

現在に至っている気がする。


****


このマンガの作者である三原順さんが

若くしてお亡くなりになったニュースを目にしたときは、

猛烈なショックを受けた。


マンガをずっと描いていて欲しかった。


そして、十何年も経ってから知ったのだが、

存命中に三原先生が

「『はみだしっ子』のことばかり話題になってしまう。

 今描いている話の方を話題にして欲しいかも」

というようなことを周りの人におっしゃっていたらしく、

それもまたショックだった。


三原先生、申しわけありません。

「はみだしっ子」以後のマンガが悪いわけではないのです。

彼ら4人の今後が未だに気になって仕方がないのです。

私はたぶん、自分が死ぬときまでずっと、

グレアムの心の平安が訪れることを願い続けることでしょう。


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