夢を見た。
天国から地獄へ行く夢を。
気が付くと、空の上だった。
明るい青い空がどこまでも続き、
足下は白い雲。
青と白の世界で、私はすごく幸せで満たされていた。
「ああ、やっとここに来た。良かった。
うれしい、楽しい。あはははは」
などと、走りながら、のんきに笑ってた。
ところが、そんな楽しい時間はほんのつかの間で、
遠くから、だれかが親しげに手招きしている。
しぶしぶ近くへ行くと、
白っぽい服を着た西洋の僧侶のような人
(かぶっていないがフード付きの服。
腰に紐を巻いてベルトにしてる)が
「こっちだよ」と先導して、私を階下に連れて行く。
「これから行くところは大変かもしれないけど」
「はあ・・・はい。」
らせんのような階段を下りていくごとに、
先はどんどん暗くなっていった。
私の気持ちもどんどん沈んでゆく。
「ああ、行きたくないなあ」と思っている私。
階段を下りきると、その付き添いの人は帰ってしまった。
私はひとりぼっちで外へ入る。
外は、漆黒の世界だった。
中世のドイツっぽい家が狭い道路に並んでいる。
その道路は石畳でできていて、
雨が降った後のように濡れている。
月明かりのせいか、所々白く光っているのが
ますます石畳を気味悪くさせている。
外を歩き回っている人々は、皆、
服が薄汚れていてぼろぼろだった。
四つんばいか腹這いになり、
地面に落ちている腐った食物や汚物を拾い食いしてる。
近くにいた人が、私を叱った。
「ちゃんと四つんばいにならなきゃダメだろう」
呆然と立ちつくしていた私の頭を、
その人はぐいぐいと下へ押しつけて
四つん這いを強要する。
びっくりして私は問いかける。
「どうしてこんなのを食べているの?」
「これを食べなきゃ死ぬからだ。お前も食え」
こんなの食べたくない。
なんでこんなにここは暗いのか。
なぜ四つんばいでなくてはならないのか。
強制されるのがつらかった。
ところが、四つんばいの自分たち以外に、
普通に歩いている人がいることに気付く。
直立で歩く人たちの足下だけが見えた。
直立で歩く人たちは、白くて清潔な服だった。
足下だけしか見えないが、アラブ人のような
裾の長い服だった。
あの人達は、普通に歩いている。何でだろう。
真っ暗な世界で絶望している私の目の前に、
ふと気が付くと、大きくて太い白い柱があった。
まるで神社の柱みたいだ。
その柱は、見上げると、ずっとずっと空まで続いている、
不思議な柱だった。
その柱は、私にしか見えないようだった。
私はじっと、柱の先の、空を見上げ続ける・・・。
そんな夢を見た。
(2005年7月ごろに見た)