(伯父さんの話の続きである。)


母方の祖母が亡くなったときも、

父方の伯父は駆けつけてくれた。

葬儀のある静岡に

新潟から車ではるばる来てくれた。


私の大好きなその伯父さんは、

伯父とは血のつながっていない祖母が

棺に入っているところに近づいた。


そして、突然、

「おい!ばあちゃん!

 生きてるか!生きてるなら起きろよ!」

 などと声をかけながら、

棺の側面をゲンコでガンガン叩いた。


私を含め、周りの親戚たちは、

その行動に皆、目が点になった。

本当に起きたらどうするんだ、というような

周りの雰囲気。息を呑んだ瞬間だった。


祖母はピクリとも動かない。

それを確認して、伯父は手を合わせた。


次に棺を叩いたのは、お焼香の時。

伯父の番になって、やっぱり同じように声をかけ、

ゲンコで叩いて、そのあと手を合わせていた。


お焼香の間中、お経を唱えていたお坊さんの背中は

まったくうろたえた様子はなかったものの、

こんな葬儀は初めてなのではなかろうか。


最後に火葬場でいよいよ最後のお別れと言うときも、

伯父が進んで前に出て、棺をガンガン叩き、

「ばあちゃん!最後だぞ!いいのか?

 じゃあな。さようなら」

と言って、合掌した。


他の人はどう思ったか知らないが、

私はその伯父の行動に愛を見た。


伯父さんは、どこの葬儀に行っても

きっと同じ事をしているのだろう。


焼かれている間に別の場所へ移動し、

みんなで仕出し弁当を食べた。


ニートで実家にいる弟とふたりで久しぶりに

ゲームの話をしているときに

伯父がふらっとやってきて、


「おい、○○(弟の名)。お前、オレの所に来いっちゃ。

 こき使ってやるすけ」

(↑新潟弁ですが、おぼろげですみません)

と冗談交じりに明るく言って、

弟を引き取ろうと何度も持ちかけた。


弟は自宅を出るのが嫌だったので

「いやあ、伯父さんの所はちょっと・・・」

と最初はニコニコ断っていたが、

あまりにもしつこいので、

「伯父さん!いくら温厚なボクでも怒りますよ!」

などと、矛盾したような言葉で

弟は最後にはキレていた。


弟のことは私も密かに心配していたので、

心の中で、「伯父さん、よくぞ言ってくれた!」と

すごく感謝した。


やれやれと弟の側から離れる間際に

私の顔を見た伯父さんが、

「おお、きれいになってきたな。うんうん」

と言ってくれたのが嬉しかった。


結婚式の時には、

きれいとは言ってくれなかった伯父。


伯父さんは私の容姿ではなく、

心(あるいはオーラ)を

見てくれているのだろうと私は思っている。


大好きな伯父さん。

いつまでもお元気でいて下さい。