天気が良かったので、
社宅階段の掃き掃除をすることにした。

今いる社宅は古くて、
昔の団地みたいだ。

階段を上ると、ひとつだけドアがあり、
その前を通過してまた階段を上がる。
つまり、ひとつの階に一世帯のみである。

5階が最上階で、我が家なのだが、
我が家に用事のある人だけが、
4階から5階へ上がる階段を使用する。

だから、5階の踊り場と、
4階から5階までの階段を掃いた。

ところで、
4階の人は、とても良い人たちなのだが、
階段掃除をまったくしないので、
3階から4階までと4階の踊り場は
砂埃がたまって真っ黒だ。

ここを常に通過する我が家としては
4階で付いてしまった靴の汚れを
5階まで持っていく羽目になるので
うちのテリトリーだけ掃除しても
あまり意味がなかったりする。

よっしゃ、こうなったら、
4階の人の分もやってやろう。

やりはじめたのは良いのだが、
途中で誰も来ませんようにと
心の中で念じた。

だって、もし4階の人が来て、
「我が家がやらないから当てつけ?」
みたいに思われるのも心外だ。

もし「何で我が家の前をやってるの?」
って言われたら、
「先日、園の制服を譲ってくれたお礼に」
って言うことにしよう。そうしよう。

それにしても、いいことを
しているはずなのに、
わざわざ言い訳を考えている
私って小心者だよなあと思う。

4階の踊り場が終わって、
すぐ続く下の階段をやっていたら、
誰かが階段を上ってくる音がする。

うを!誰だ!やばいやばい!

なんと4階のご主人だった。

何を言われるか、すごくドキドキした。

すると、その旦那さんは、
「こんにちは。ご苦労様です。」
とにこやかに言い、私の脇を通り過ぎて
家に入ってしまった。

口あんぐり。

そうかそうか。
階段掃除の当番と思われたのか。

まあ、それでもいいか。
余計なことを言わずに済んで良かった。

とにもかくにも、階段はきれいになった。
3階以下の人々はすでにきれいにしているので、
階段全体が美しくなったわけで。

毎日の階段の上り下りが
とても楽しくなったのだった。

でも、出来るなら、4階のお宅でも
時々は掃除してくれたらいいな~とは思っている。