最近、ちょっと良いことをすると、

何故か小銭を拾う。


神様からの、ご褒美なのかな。

10円や、1円などの、コイン。

ありがたく、いただく。


でも、特に良いことをしていないときにも

小銭を拾う時もある。そんなときは、

スーパーなどで募金箱にインすることにしている。


そんなある日のこと。


娘たちと電車に乗ろうと、

駅のホームの階段を上った。


ふと後ろを振り返ると、

足の悪いおばさんが、手すりを頼りに上ってくる。

荷物がたくさんで、荷物を一段一段上に載せては、

自分も一歩上るようにしている。


私は娘たちをそこに待機させて、

ガーッと階段を下りる。


「荷物重いでしょう。お持ちしますね」

そういって、手を貸した。

「一番上に置いてください」というおばさんの指図に従い、

上まで運んであげた。


そして、おばさんと別れて、

娘たちと手をつなぎ、2~3歩歩いた先に、

果たして、10円玉が落ちていた。


あ、またご褒美だ~。


それを拾って、ポケットに入れる。


いつもなら、それで終わりなのだが、

この日はなんだか、すごく居心地が悪くなってしまった。


罪悪感を感じた。なんだろう。


電車に乗っても、その気持ちはずっと続いていた。  (つづく)