ポジティブ思考は現実ありきです。

 

よく、

ポジティブ思考は素晴らしく、

ネガティブ思考は悪いものだと

言われます。

 

そう言った安直な2極化思考は

問題を大きくしてしまいます。

 

 

例えば、

あなたがテストで0点を取ってしまった。

あなたは落ち込んでしまいますが、

「これはネガティブ思考だ。落ち込んでいてはダメだ」

と奮起します。

 

この時に、

「ポジティブに考えよう!0点でも良いじゃないか!」

とやってしまうのは如何なものかと思います。

 

それはポジティブ思考では無く、

単なる逃げの思考です。

 

0点を取ってしまった現実から逃げているだけなのです。

 

少なくとも、

”0点を取って落ち込んだ”

と言うのは事実なのですから、

その事実を受け入れる事が先なのです。

 

落ち込んだという事は、

あなたの心は、

「0点を取るような自分では嫌だ」

と言っているのです。

 

そこは認めるべきなのです。

 

その上で、ポジティブに思考する。

 

そうすれば、

「今回は0点だったけど、

 次は100点目指して今から頑張って勉強しよう!」

と思えるのです。

 

これが本来のポジティブ思考です。

「0点を取るのは、私の心は嫌なんだ。

その事を知れたのだから良かった。」

と思うのが、

”ネガティブな事実を受け入れたポジティブ思考”

です。

 

でも、

ポジティブ思考を勘違いしてしまうと、

「0点だって良いじゃないか!

 私はすでに完璧で、愛に溢れる存在なのだから!」

と、論点をすり替えて、

勉強を放棄してしまうと言う事が起こり得ます。

 

これは単なる現実逃避です。

 

この様な現実逃避を一度行ってしまうと、

それがクセになります。

 

カルマとなってしまうのです。

 

現実と向き合えない弱い心になっていくのです。

 

しかし、現実とはどこどこまでも追いかけてくるものです。

 

逃げても、逃げ切れるものではありません。

 

すでに”実”となって”現”れたもの。

それが現実なのですから。

 

現実を直視せず間違ったポジティブ思考をしてしまうと、

”心は弱くなる一方。でも、現実は酷くなる一方。”

と言う悲惨な状態になっていくのです。

 

仏教ではこう言った状態に陥った人の心理状態を、

”大叫喚地獄”と表現します。

 

泣き叫びながら現実から逃げている心理を

この様な言葉で表現しているのです。

 

「0点を取ってしまった私ってダメね・・。」

というネガティブ思考は論外ですが、

かといって、

「0点だって良いじゃないか!」

と言うポジティブ思考も間違っています。

 

あくまでも、現実を認める事が先なのです。

 

”0点を取ってしまって落ち込んだ。”

と言うのが現実なのです。

心は、0点の自分では嫌だと言っているのです。

 

であるならば、

それらを受け入れた上でポジティブに思考する。

 

そうすれば出てくる答えは一つです。

 

「今ここから、頑張って勉強しよう。」

それ以外の答えはありません。

 

 

しかし、私達人間には煩悩があります。

 

”怠け心”が働くのです。

 

その怠け心に負けてしまい、

言い訳としてポジティブ思考を使う人が

後を絶ちません。

 

その結果は本人が受ける訳ですから、

ほおっておけば良いのですが、

あなたまでそうなってしまってはいけません。

 

この世界には、

先に述べたような

”偽りのポジティブ思考”

を振りかざす指導者も多く居ます。

 

彼らの言葉に流されてはいけません。

 

流されてしまったら、

その結果はあなたが受ける事になるのですから。

 

その指導者は

あなたの受ける悪果を

引き受けてはくれないのですから。