多くの不動産会社が存在する中で、元付業者と客付業者という2つの種類があることをご存じでしょうか。実は、それぞれの特徴を理解し、自分に合った業者を選ぶことが重要です。
本記事では、元付業者と客付業者の違い、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、元付業者と客付業者を見極める方法についてもご紹介します。
元付業者と客付業者の違い
元付業者とは、売主から直接依頼を受けて物件を販売する不動産会社です。一方、客付業者とは、元付業者の物件をエンドユーザーに販売する不動産会社です。
主な違いは以下の表の通りです。
項目 | 元付業者 | 客付業者 |
依頼者 | 売主 | 買主 |
販売する物件 | 自社で所有している物件、他の元付業者から仕入れた物件 | レインズなどに掲載されている他社の物件 |
利益 | 売主・買主から仲介手数料をもらう | 買主から仲介手数料をもらう |
得意分野 | 売主の意向に沿った物件提案 | 買主の希望に沿った物件探し |
情報量 | 売主の事情や物件情報に詳しい | レインズなどに掲載されている情報のみ |
交渉力 | 売主と直接交渉できる | 元付を通しての交渉しかできない |
元付業者のメリット・デメリット
メリット
- 売主の事情や物件情報に詳しい
- 売主と直接交渉できるため、価格交渉しやすい
- 自社で所有している物件を取り扱っているため、内覧しやすい
- 複数社の物件を比較検討しやすい
デメリット
- 買主よりも売主の利益を優先する可能性がある
- 売主の立場に立ち、他の物件を幅広く紹介してくれない可能性もある
客付業者のメリット・デメリット
メリット
- 当該物件にこだわらず、買主の希望に沿った物件を探してくれる
- 複数の元付業者から物件を紹介してもらえるため、選択肢が広がる
デメリット
- 売主の事情や物件情報に詳しくない場合がある
- 元付業者との競合が発生するため、希望の物件を押さえられない場合がある
- 内覧までに時間がかかる場合がある
元付業者と客付業者を見極める方法
1. 物件資料をすみずみまで確認する
物件資料(マイソク)には細かい字で、媒介という記載があります。
- 専属専任媒介:元付業者が専属的に販売活動を行う
- 専任媒介:元付業者が優先的に販売活動を行う
- 一般媒介:元付業者以外にも複数の業者が販売活動を行う
専属専任媒介または専任媒介の場合は、元付業者である可能性が高いです。※ネットの物件情報についても同じです。どこかに「取引態様」という欄があるので、そこを確認します。
2. 不動産会社に直接聞いてみる
物件図面だけではわからない場合は、不動産会社に直接聞いてみましょう。
- この物件は元付ですか?客付ですか?
- 売主はどのような方ですか?
- なぜ売却されるのですか?
これらの質問に対する回答から、元付業者か客付業者かを判断することができます。一般に元付業者であれば、売主の人物像や売却理由について、即座に、詳しく回答してくれます。
3. ホームページや口コミをチェックする
ホームページや口コミをチェックすることで、不動産会社の評判を知ることもできます。
- 元付業者としての実績があるか
- 客付業者の経験は豊富か
- 担当者の質はどうか
これらの点を参考に、信頼できる不動産会社を選びましょう。
まとめ
元付業者と客付業者にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
- 売主の事情や物件情報に詳しく、価格交渉しやすい元付業者
- 買主の希望に沿った物件を探してくれる客付業者
それぞれの違いを理解し、自分に合った業者を選ぶことが重要です。
物件図面の媒介記載、不動産会社への直接質問、ホームページや口コミのチェックなどを参考に、信頼できる不動産会社を見つけてください。
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