シロアリ被害の中で最も深刻な問題を引き起こす「イエシロアリ」。本記事では、ヤマトシロアリより被害が大きくなりがちな、イエシロアリの特徴を徹底解説します。
驚異的な繁殖力と加害速度:世界で最も凶暴なシロアリ
イエシロアリは、世界で最も被害速度が速いシロアリとして知られています。
- 1つの巣に100万匹~200万匹もの個体数
- 1ヶ月で1匹あたり約2杯分の水を運ぶ能力
- 地中から2階天井まで被害を及ぼす
- 羽アリは夜間に活発に飛び、新たな巣を作る
これらの特徴から、イエシロアリは他のシロアリよりも短期間で深刻な被害をもたらす可能性が高いのです。
九州から日本全土に拡大:生息地域と被害状況
イエシロアリは、九州を中心に日本全土に生息しています。
- 特に熊本県では、被害率が8割に達するほど深刻な状況
- 近年、関東地方でも被害が拡大
- 都市部よりも郊外の戸建て住宅で被害が多い
地下から水を運ぶ習性:被害を受けやすい場所
イエシロアリは、乾燥した木材でも水を運んで加害する習性があります。
- 地下から水を運ぶ能力が非常に高く、湿度の高い場所を好む
- 古い家や風呂場の排水管周辺など、水漏れしやすい場所が被害を受けやすい
- 二階天井や壁内部など、見通しの悪い場所も被害対象となる
羽アリの出現時期と見分け方:被害の早期発見
イエシロアリの羽アリは、5~6月と9~10月に発生します。
- 羽アリは夕方から夜にかけて活発に飛び、光に集まる
- イエシロアリの羽アリは、体長約10mm、黒褐色の体に乳白色の翅を持つ
- ヤマトシロアリの羽アリと比べて、体色が濃く、翅が短い
駆除方法:専門業者への依頼が推奨
イエシロアリの駆除は、専門業者への依頼が推奨されます。
- DIYでの駆除は困難
- 薬剤の使用方法を誤ると、被害が拡大する可能性
- 床下や壁内部など、見えない場所にも薬剤を散布する必要がある
予防対策:水回りの点検と定期的な調査
イエシロアリ被害を防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 水回りの点検を行い、水漏れを放置しない
- 床下換気扇を設置し、風通しを良くする
- 定期的に専門業者による調査を行い、早期発見・早期駆除に努める
まとめ
イエシロアリは、非常に凶暴なシロアリであり、短期間で深刻な被害をもたらす可能性があります。被害を受けやすい場所や、羽アリの見分け方などを理解し、早期発見・早期駆除に努めましょう。また、水回りの点検や定期的な調査などの予防対策も重要です。
参考資料