パリのルーヴル美術館の「絶対観るべき作品」のひとつで、フランス人が最も好きな絵画と言われています。1830年の7月革命を記念してドラクロワが制作した作品で、中央の女性はフランス共和国を擬人化した架空の女性マリアンヌです。絵の中で描かれている人物が、ブルジョワジーから都市労働階級の人々まで広い社会階級に属していることもあって、共和制・反君主主義のシンボルとされ、政治的なメッセージが強い作品として扱われました。1830年に作られた後、1848年フランスに共和国が復活するまで屋根裏部屋に隠され、ルーヴルに収蔵されたのは1874年になってからでした。1999年に日本での展覧会に出品される際には、高さ2.99メートル、幅3.62メートルの大きさゆえボーイング747型機に収まらず、エアバス・ベルーガに乗せて運ばれたそうです。