昨年から借りっぱなしになっている本がある
ティク・ナット・ハンの『微笑みを生きる 気づきの瞑想と実戦』
友だちの家に行った時
扉のある本棚から出されて薦められた古い本だった
この本にまつわる友だちのエピソードは
友だちが 本屋さんでたまたま見つけて感動して読み
その頃知り合った 別の友だちと初対面の時に
この本を持っていて 何気なく出したら
「ティク・ナット・ハンの所に行きます」と最後のハガキが来て
外国に旅立っていった友だちがいる！と驚かれ
それから いろいろ話すうち
意気投合して 大切な友だちになった・・・という話
ティク・ナット・ハンで繋がった友だちかぁ
私は ティク・ナット・ハンがどういう人か知りたくて
その本を借りて帰った
だけど 借りっぱなしで読むことはなく １年以上も過ぎてしまった
この秋 私の中の何かが変わった
大きな変化ではないし
何がどう変わったかは 説明も出来ないけど
いろんなことが吹っ切れて
余計な物は整理したくなったし
何より 自分らしく生きたいと思うようになった
そんな時 本棚を見たら この本が目に留まり
「あっ この本は今年のうちに返そう」と思った
そして 今なら読めるかもしれないと思い
手に取り 読み始めた
ティク・ナット・ハンは 息に気づけと書いている
意識的呼吸
いきいきと楽しく暮らしてゆくための呼吸法のお話をしましょう。
最初の練習はとても簡単なものです。息を吸ったら、
「息を吸いながら私はいま息をすっていることに気づいている」。
息を吐きながら、「息を吐きながら私はいま息を吐いていることに気づいている」と、
こころのなかでつぶやきます。これだけの練習です。
入息を入息として、出息を出息として気づいてゆきます。
慣れてきたら、「吸う」、「吐く」の二語で十分です。
・・・・・・・・・・中略・・・・・・・
息を吸うことと吐くことはとても大切なことで、しかも楽しいことです。
私たちの呼吸は体とこころをつないでいます。
・・・・・・・・・・中略・・・・・・・
意識的な呼吸はこころと体をつなぐ懸け橋です。
私にとって呼吸はかけがえのない喜びです。
この本を借りてすぐの私は 息に気づくことぐらいで
何が変わるんだ！と 思っていた
でも 今の私は 難しい精神世界の本をたくさん読んでも
何も変わらない人をたくさんいることを知っています
だから 「息に気づくこと」をこんなにも大切に書いている
ティク・ナット・ハンに騙されてみようと思った
息に気づくことが そんなに大事なのか？
息に気づくことのその奥に 何があるのか？
この簡単そうに思えて 実は難しい
息に気づき続けるその奥に 何かがあるのかもしれない！
そう思ったのだ
昨日は ヨガの日だったので
出来るだけ 自分の息を意識してみた
吸う息 吐く息を丁寧に 出来る限り意識してみた
吐く息は お腹から息を吐き切るまで出したり
吸う息は 体の隅々にまでいきわたるようにした
すると ある瞬間
ティク・ナット・ハンは 息をすることが楽しい
かけがえのない喜びと言っていた
息をすることが？と 思ったが
その瞬間 息が出来ない時の苦しさと
やっと息が出来た時の 生きるか死ぬかの瀬戸際から生還出来るほどの
なんとも言えない至福感が息をすることの中にあることに気づいた
息をすることは なんとも気持ちいいものなのだ
息をすることは 楽しくて 嬉しくて 気持ちいいのだ
そうやって 息をしていると
息をする度 嬉しくなって 顔がほころび 体が喜んでいる気がした
こんなに凄いことを
生れて息をし始めた時から ずっと ずっと 続けているのだ
息を吸い込むと 喜びで充たされる感じがして
息を吐く度とふと安堵する感じがした
何よりも美味しい 体中が嬉しさいっぱいで待っている空気を吸うのだ
私は煙草は吸わないけど 煙草より何倍も何十倍も美味しいものを
いつもいつも体いっぱい吸い込める喜び
自由に際限なく 好きなだけ吸い込める喜び
あ～なんて 幸せなんだろう
水が美味しいと 書いてる人がいたけど
ちょっとその意味がわかるような気がした
何をしてる時が好きですか？
息をしてる時です
そう答えられそうな気がした
私が読んだ本は1995年の本ですが絶版ですね
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