今年 最初の桜を見たのは 3月20日の満月の日だった
一番地球に接近した月で スーパームーンと呼ばれていた
その日の昼間 近くの小学校の裏門で 桜が咲いてるのを見つけた
その後 今年の桜は 花見も自粛され
花は咲いてるものの いつもの華やかさはなく
寂しい桜だなあと 思っていた
時々 会社の入り口の マットの上などに
桜の花びらが ひとひら ふたひら 舞い落ちているのを見ると
なぜか ドキリとしたり
通りで見かける桜が 風に舞って ひらひらと落ちていくのが
妙に 目にかかったりはしていた
そして 昨日 今年最初に見た 桜が 満開になっており
圧倒的な存在感で 目に飛び込んできて
私の足を止めた
静かな桜だったが けっして 寂しくはなく
淡いさくら色の花の房が たわわに実るように咲き誇り
これまた 淡く優しい黄緑色の 柔らかな葉と
絶妙なコントラストで バックの夕日と共に映し出し
私を 上まで見上げさせた
とても きれいな桜だ
これほどまでに 桜の花を 見惚れたことが あっただろうか
花見の桜に酔うように 見惚れるのではなく
まじまじと 桜そのものを きれいだと感じた
日本人として桜を愛でるのではなく
私が 始めて なまの桜に 出逢ったような 不思議な感じだった
今までと 同じ桜を見ているのに
ひとつ フィルターが 外れたような
直接 桜を見ているような そんな感じだった
酔うように見るのではなく
素面で まじまじと見るような そんな感じでもあった