【彼岸】構築 手札誘発型の問題と新プランの提案 | 花梨の遊戯王一人語り

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遊戯王について、主に彼岸について語っていきます
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1.はじめに

最近記事の更新を完全にサボっていたので約1ヶ月ぶりの投稿になります

その間やっていたこととしては、前回の記事で書いた手札誘発型のプランの改良、問題点の考察、解決策の考案等です

というわけで今回はそのあたりについて詳しく話していきたいと思います

それと、今回はだいぶ順を追って説明している箇所が多いので、そういう理屈等に興味がない方はデッキレシピのその解説だけ見ていただければ幸いです



2.前回のプラン



まず前回のプランについて軽くおさらいしておきます

前回書いた【彼岸】手札誘発をメインとしたプランでした

具体的にはEm系の先行展開を手札誘発で抑止し、中途半端な盤面を作らせてからそれを【彼岸】の動きで解決していく、というようなものです

搭載されている手札誘発は《増殖するG》《エフェクト・ヴェーラー》《幽鬼うさぎ》の3種類です

それ以外の特徴としてはメインから《エクシーズ・ユニバース》を採用することでEm系に対する盤面解決能力を高めていたことが挙げられます



3.問題点



あのプランを改良していくうちに挙がった問題点が次の2つです

・HEROに対してメインが弱く、かつHEROのシェアが増加してきていること

・Em系が手札誘発を踏み越えて、その上から殺されることが考えていたよりも多かったこと


まず前者についてです

根本的な問題として前回のプランで採用されていた手札誘発は【HERO】に対してあまり効力を発揮しません

《増殖するG》はミストを出すための《ゴブリンドバーグ》《ブリキンギョ》に撃ったり《E・HERO バブルマン》に先撃ちしたり等、撃てる状況が軒並み弱いです

《幽鬼うさぎ》《エフェクト・ヴェーラー》も同様で、《M・HERO ダーク・ロウ》がいるとそもそも発動すらできないことも合わさり、基本的に手札誘発自体が【HERO】に対して弱い印象を受けます

またメインから搭載されている《エクシーズ・ユニバース》も全く撃てないとは言いませんが基本的に役に立たないです


そして後者についてが最も深刻な問題です

手札誘発プランを考えた時点で想定していたよりもEm系の手札誘発耐性が高く、多くの場面で《幽鬼うさぎ》《エフェクト・ヴェーラー》が踏み越えられるケースが発生しました 

展開の終着点に撃った場合でも、それらのカードの性質上盤面解決能力は低いためにあまり有効に働かない場面が多く見受けられます

《増殖するG》の場合は撃てば基本的に中途半端な盤面で返ってはくるのですが、【彼岸】というデッキ自体が封殺系やワンキル系のデッキではないために返しで殺しきるのは基本的に難しく、次の相手ターンへ問題を先送りしているだけになっている撃ち方が散見されました


そしてこれらの問題を考察した結果、手札誘発の性質上の問題が数多く関連しているため、このプランを続ける限り問題点は解決できないという結論に至りました



4.提案



そこで目を付けたのが
・全体除去
・traveler
の二点です

【HERO】に対して強いデッキにするには全体除去を多くするのが最も効果的です

そして全体除去を多く搭載することでtravelerが最大限活かせます

【彼岸】は全体除去を受けてもモンスターの多くがアドを取れるので相手に一方的なアド損を押し付けられ、travelerを発動することで除去されてアドをとったモンスターごと全てを蘇生し、ボードアドの観点から優位に立つことが可能です


Em系にもこの流れでボードアドの差を広げることは可能なのですが、ここで問題になってくるのがExリソース(=Exに送られたペンデュラムモンスターの数)とハンドリソース(=手札に確保されたモンスターの数)になります

いくらボードアドで優位に立とうとも相手のExが肥えていたりハンドが潤沢だったりしては戦況として有利にはなりません

そこでこの問題を解決するために《スキルドレイン》等の後続を確保させないカードの活用が考えられます

これによりExリソースやハンドリソースを貯めさせないことで【彼岸】が最も得意とする単純なボードアド勝負に持ち込めるのではないかと考えました



5.デッキレシピ
※一部のカードはOCG名が判明していますがTCG表記のまま記述しています


メインデッキ  :41枚
エクストラデッキ:15枚
サイドデッキ  :15枚

【 モンスター 】19
Cagna Malebranche of the Burning Abyss
Cir Malebranche of the Burning Abyss ×3
Draghig Malebranche of the Burning Abyss
Farfa Malebranche of the Burning Abyss ×3
Graff Malebranche of the Burning Abyss ×3
Rubic Malebranche of the Burning Abyss
Scarm Malebranche of the Burning Abyss ×3
魔界発現世行きデスガイド
マジュサイの戦士 ×3

【 魔法 】4
Good & Evil in the Burning Abyss
おろかな埋葬
ハーピィの羽根帚
貪欲な壺

【 罠 】18
Fire Lake of the Burning Abyss ×3
The Traveler and the Burning Abyss ×3
つり天井 ×3
スキルドレイン ×3
悪魔の嘆き ×3
激流葬 ×3

【 エクストラ 】15
Dante Traveler of the Burning Abyss ×3
ゴーストリック・アルカード
トライエッジ・リヴァイア
弦魔人ムズムズリズム ×2
No.17 リバイス・ドラゴン
No.30 破滅のアシッド・ゴーレム
No.47 ナイトメア・シャーク
ゴーストリックの駄天使
ダウナード・マジシャン ×2
Virgil Rock Star of the Burning Abyss ×2

【サイドデッキ】15
闇の護封剣 ×3
昇天の剛角笛 ×3
昇天の角笛
神の宣告
神の警告
魔のデッキ破壊ウイルス ×3
魔封じの芳香 ×3



6.解説


6-1.全体の動き

このデッキの動きとしては全体除去からのtraveler起動でボードアド差を突き放すことがメインになります

《スキルドレイン》をメインから搭載することでEm系に対して単純なボードアド勝負を持ちかけることが可能です

引かなかった場合Exリソースとハンドリソースの獲得を阻止できないため不利に見えますが、その場合はペンデュラム等を使用させ相手が展開し終わった時に全体除去を当て、travelerと繋いでからのボードアドにものを言わせたワンキルやfirelake連打のごり押しで相手の潤沢なリソースを使用させないことも勝ち筋として存在しています

総合的に見て《M・HERO ダーク・ロウ》《星輝士 セイクリッド・ダイヤ》等のモンスターを突破しやすく、【HERO】に対してメインから勝ちやすくしながら手札誘発型のEm系に対する問題を解消できるように作ってあります


6-2.採用カード(メイン)


《The Traveler and the Burning Abyss》

元々カードパワーが高いカードですが、全体除去との相性が大変良く、最大限活かせる構築になっていると考え3投しています

ホープライトニングに対してのケアがしやすいことも大きなメリットの一つです


《つり天井》

現環境では発動が容易で、激流葬と違いフリーチェーンなのでルーラー等のケアを避けられるメリットがあります

ケアしにくい全体除去ということで今回の構築のコンセプトに一番合致していると考え3投しました


《激流葬》

ルーラーで簡単にケアされてしまうものの、逆にルーラーさえいないなら発動自体は難しくありません

【彼岸】は先行ルーラー魔法宣言が全く辛くないデッキですし、隣にプトレやフレシアがいてもその上からルーラーを殴り殺せるので仕事をこなすことは十分可能であると考え投入しました

全体除去という、構築のコンセプトの根幹を成すカードその2です


《スキルドレイン》

前述のとおり、Em系に対して単純なボードアド勝負を持ちかけるカードです

【HERO】に対してもダークロウを無力化できるため有効に使えます

こちらはfirelakeや全体除去を撃ち続けてモンスターを全滅させれば打点はdanteの1000でも十分ですし、danteの墓地送りがコストなのでその部分の動きは阻害されません

ただ手札ss効果が使えなくなる都合上回しかたが極端に難しくなるので、サーチやリクルートは先を読んで行う必要があります


6-3.採用カード(サイド)


《闇の護封剣》

魔術師系の出してくるユニコーンがきつすぎるのでとりあえず裏返してなんとかします

遅延性能も高いので気に入ってます


《昇天の剛角笛》《昇天の角笛》《神の宣告》《神の警告》

全部魔術師系のメタです

ユニコーンさえ入ってなければどうでもいいんですけどユニコーンがほんとにキツいので徹底的にペンデュラムを殺します

シェア自体は低いデッキなのですがメインが絶望的に相性が悪い(主にユニコーンと)のでこの辺りの枠でなんとかしてます


《魔のデッキ破壊ウイルス》

Em系に撃ちます

コストはアルカードから進化した駄天使です

Em系のハンドリソースを根こそぎ消すことでExリソースの獲得も阻害し、結局は単純なボードアド勝負に繋げるカードになります


《魔封じの芳香》

Em系含めたペンデュラム系全般と【HERO】に積みます

Em系についてはペンデュラムスケールが貼れなければいくらExリソースがあっても無意味ですし、そもそも相手の展開前に貼れれば全てのリソースの獲得を阻害できます

【HERO】はよくわからんくらい強い性能の魔法カードとマクスチェンジを止められます

総じて永続なのにも関わらず羽根帚の裏目をケアできるところと、相手がセットした魔法はfirelakeとアルカードで叩き割れる所が気に入ってます



7.採用候補

現在採用候補に挙がっているカード《手違い》《捕違い》等のサーチ封印系です

これらもEm系に当てることで単純なボードアド勝負に持ち込めるカードではあるのですが、被ったときの弱さや大損害では無いとは言えこちらの動きに引っ掛かる部分もあること、また単純に枠が足りないといった問題から採用を見送っていました

今後考えていけばこの辺りも十分採用候補になっています

この構築を考えてまだ日が浅いのでこれから採用候補は増えていくと思いますが、現状考えているのはこのくらいです



8.まとめ

さっきも言ったようにこの構築はまだ考えて日が浅いので今後改良の余地が十分にありますし、そもそもこのプラン自体がだめになるということもあり得ます

ですが【彼岸】来日が近くなってきており、考えている人も増えてきているのではないかと思ったために、試作中のデッキもこのように紹介することにしてみました

長くなってしまいましたが、ありがとうございました

では、また次回