50年ぶりのプロポーズ | 生け花で心の安定を手に入れる専門家 齋藤広子のブログ

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私が福祉施設と言っても、初めは宅老所だったんですが、その時の出来事です。

 
 
 
入所して来た三郎さん(仮名)は、出歩くのが大好きで、片時も同じ場所に居るのが出来ない人でした。
 
 
 
デイサービスでも、行方不明になってしまい、どこの福祉サービスでも、利用が断られた人でした。
 
 
 
本当は、そんな人にこそ、福祉サービスがあるはずなのですが、24時間見守っている事は、拘束するか?閉じ込めるか?薬を飲んでもらうか?しか無いのが、現状です。
 
 
 
 
 
私は、三郎さんの奥様とも知り合いで、普段から色々と相談をされていました。
 
 
 
 
奥様は若い頃の三郎さんに一目惚れをして、年上だった自分からプロポーズをして結婚したそうです。
 
 
 
自衛官だった三郎さんは、若い頃はお酒をほとんど飲めなかったのに、訓練に参加しているうちに、大酒飲みに変わってしまったそうです。
 
 
 
 
大酒飲みになってしまった三郎さんは、退職年齢前に、若年性の認知症と診断されました。
 
 
 
まだ、50代だった三郎さんを、奥様は一人で10年近く介護していました。
 
 
 
ほとんど介護サービスも利用出来ない状況でしたので、自分と三郎さんの腰を紐で結んで、仕事を続けていたそうです。
 
 
 
 
私は、そんな実情を知っていたので、一緒に仕事が出来ないかと誘いました。
そのような流れから、三郎さんが入居となりました。
 
 
 
 
その1日目の出来事です。
 
 
 
来て数分で、やっぱりお散歩にお出かけてしまい、行方不明になってしまいました。
 
 
 
 
スタッフが後をついて行ってたのですが、自衛隊で鍛えたサバイバル歩行について行くのも大変だったみたいです。
 
 
 
尾行は、失敗に終わりました。
でも、行きそうな場所をピックアップしていたので、そこで三郎さんを待ってました。
 
 
 
 
ところが、来ないんです。
 
 
 
数時間がたちました。
 
 
 
初日で、準備もままならない時だったので、目の前真っ暗です😱
 
 
 
警察👮‍♂️には、何で縛らないのかと説教され、意気消沈です。
 
 
 
その時です。三郎さんが、たんぽぽを数本持って帰って来たんです。
 
 
 
奥様の前に行き、「ほれ」とたんぽぽを渡したんです。
 
 
 
 
一瞬、時間が止まったような感じがしました。
 
 
 
 
奥様にとっては、50年ぶりのプロポーズです💕
 
 
 
 
一瞬だけど、正気に戻ったような三郎さんに見えました。
 
 
 
夫婦っていいな💕
 
 
 
 
奥様が、三郎さんにプロポーズをしたのも、たんぽぽが綺麗に咲いていた場所だったそうです。
 
 
 
すれ違いも、世話をしたり、されたり、色々あるけど、それでも良いから一緒に居るんですね。
 
 
 
私にもたまにで良いから、花を💐ください😭
 
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