パレスチナでの農業と農家の現実
シェアさせてもらった記事からの抜粋です。
『07 Jul 2024
ネダル・アブ・ジャザールさんは、
ガザ南部の沿岸地域アル・マワシの畑に残る
戦車の跡を見ながら、戦争が彼の木々や作物に与えた被害を嘆いた。
39歳の農夫は、根こそぎ倒されたトマトの苗を手に、
AFPにこう語った。
彼は、イスラエル軍によって人道区域に指定されている敷地内にある、
彼の温室の金属フレームと、その敷地に散乱している白いビニールシートを指差した。
「私たちは農地に平和に座っていました・・・
すると突然戦車がやってきて発砲し、空爆されました」
アブ・ジャザールさんによれば、
6月下旬のイスラエル軍の作戦によって、
約40ドゥナム(10エーカー)の土地が破壊され、5人の労働者が死亡したという。
彼のケースは孤立したものではない。
国連の農業・衛星画像機関であるFAOとUNOSATが6月に発表した共同評価によれば、
戦争が始まって以来、
ガザ全域で農地の57%が被害を受けた。
食糧農業機関のマチュー・アンリ氏はAFPに対し、パレスチナ自治区の食糧消費の30%は農地からもたらされているため、この被害はガザの食糧主権を脅かしていると語った。
「農地の60%近くが被害を受けたとすれば、
食料安全保障と食料供給の面で大きな影響を及ぼすかもしれない」
FAOのデータによれば、
ガザ地区は2022年、主にヨルダン川西岸地区とイスラエルに4460万ドル相当の農産物を輸出しており、
イチゴとトマトが全体の60%を占めている。
イスラエルの数字に基づくAFPの集計によれば、10月7日以降、この数字はゼロになった。
AFPの取材に対し、イスラエル軍は「意図的に農地を傷つけることはない」と述べた。
ただ声明では、ハマスが「しばしば果樹園や畑、農地の中で活動している」と述べている。
その影響はパレスチナ自治区北部でより深刻で、農地の68%が被害を受けているが、
アル・マワシの一部を含む南部地域は、軍事作戦のためにここ数ヶ月で最も顕著に増加している。
UNOSATのラース・ブロムリー氏はAFPに対し、被害は一般的に
「大型車両による活動、爆撃、砲撃、その他紛争に関連した原動力の影響によるもので、焼き畑のようなものである」
と語った。
南部の都市ラファの近くでは、
34歳の農夫イブラヒム・デイルさんが、かつて借りていた20ドゥナム(5エーカー)の土地と、それに付随するすべての農機具を破壊され、無力感を感じている。
「イスラエル軍のブルドーザーと戦車がこの地域に入るやいなや、
果物、柑橘類、グアバ、そしてホウレンソウ、モロヘイヤ、ナス、カボチャ、ヒマワリの苗などの作物など、
さまざまな樹木のある耕作地をブルドーザーで破壊し始めました」
と彼は言い、さらに被害を列挙する一方、
この地域の過去の農業の豊かさを証言した。
一家はヨルダン川西岸地区とイスラエルに農産物を輸出していたが、
今では貧困に陥っている。
「以前は農業に頼って生活していましたが、
今は仕事も収入もありません」
農民のアブ・マフムード・ザアラブさんもまた、
”収入源がない “と感じている。
60歳の彼は15ドゥナム(3.7エーカー)の土地を所有しており、
そこにはかつて作物や果樹が育っていた。
「イスラエル軍はこの土地を通過し、すべての木々や作物を完全に消し去った」
と彼はAFPに語った。
「ブルドーザーと砲撃で、土地は不毛の地と化しました」
UNOSATのブロムリー氏によれば、ガザの農地が受けた被害は、戦車の跡や爆発をはるかに超えるものだという。
「近代兵器は、一定の割合で必ず失敗します。
戦車の砲弾は爆発しないし、大砲の砲弾も爆発しない・・・
だから、不発弾を除去するのが大仕事です」
と彼は言う。
不発弾を除去するには、
「農民が農地に戻れるようにする前に、
土壌を1センチメートル残らず調査する必要がある」という。
リスクはあるが、デイルさんは農業への復帰を望んでいる。
「戦争が終わり、元の状態に戻り、再び農地を耕すことができるようになることを望んでいます」』