脳と機械をつなぐ新たなリハビリ機器 | みなるんのブログ

脳と機械をつなぐ新たなリハビリ機器

 

 

 

その2です。

シェアさせてもらった記事からの抜粋です。

『牛場潤一さん (慶應大学理工学部准教授)

井上 裕貴 (アナウンサー) 保里 小百合 (アナウンサー)

 

牛場さん:後藤さんの場合は、運動をつかさどっている脳の領域の神経細胞にダメージがあり、運動しようと思っても、適切に体に運動の指令が伝わらなくなっている状態なのです。

これが、麻痺(まひ)というような状態なのです。

われわれの装置はヘッドホンのように頭にかぶることで、

傷を免れたところの神経細胞の活動を読み出しているのです。

脳の中はネットワークなので、一部分に傷がついて機能しなくなっても、傷を免れたほかの神経回路を使って体に指令を送ることが本来は、まだできるのです。

ただ、そこを上手に使いこなせてないという状態なので、ヘッドセットを使って脳の活動を読み出して、傷を免れたところの神経回路の活性化を促すという脳の治療をする機械、これを使ってもらったということになります。

患者さんの脳の中に、機能を肩代わりするような回路ができてきたのではないかと考えられています。

 

井上:ほかの方々の状況もお聞きしたいのですが、現在、実用化に向けて臨床研究中ということですが、実際これまでのリハビリで7割の人に症状の改善が見られたと。

実際、どういう効果や傾向というのが見られているのでしょうか?

 

牛場さん:私たちがいくつかの臨床研究でこういった機械を試した症例は、脳卒中を発症して6か月たって、いわゆる症状固定。

つまり、これ以上もう治らないと一般には言われているような患者さんに私たちの装置を使っていただいています。

特に重度な患者さんは指の動きもほとんど出ないですし、筋肉の反応も見られないというような、通常のリハビリが使えないような患者さんに装置を使っていただいて、いわゆる脳のトレーニングをしていただくということをしました。

1日大体1時間ぐらい、装置を使いながら手を動かそうというトレーニングをしていただいて、

2週間訓練をしていただくと、7割の方に指の動きとか、筋肉の反応が見られるという結果を得ました。

これまでは症状固定、これ以上治りませんと言われた方に70%という割合で治療回復効果が認められたというのは一つ、臨床応用へ、医療に貢献するという端緒がついたというところかなと思います。

 

井上:実際そういうリハビリを経るわけですが、

残りの3割の方にはそういった改善は見られなかったという。

これはどういうふうに見てますか。

 

牛場さん:私たちも非常にそこは関心があるところで、7割の患者さんに少し体の反応が出るようになれば次の医療につなげられるという意味で価値はあると思いますが、

逆に言えば、3割の方には残念ながら回復は認められなかった

ここを何とかしたいというふうに思って日々研究をしているのですが、なぜ体が治らなかったのか、脳が治らなかったのかというのは、いろんな要因が考えられるのです。

例えば年齢が若い方のほうが、機能が書き換わる性質がやや強いということも知られていますし、

そのほか脳の傷の大きさとか、場所とか、そういったことも脳の回復に影響します。

まだわれわれがテストをさせていただいた患者さんの数は数十例という規模ですから、今後もっと症例を重ねて、どういう理由で脳の回復が限定的だったのかというのを特定していく必要があると思っています。

私たちの研究室で、一定の研究、治療効果というのが認められて、安全性も一定の確認ができた段階にあります。

世界でも、こうした機械を使った治療効果というのが認められた段階になっているので、いよいよ実用化のすぐ手前のところまで来たのではないかと考えています。

(みなるん注:「安全性も一定の確認ができた段階にあります」ほんとうでしょうか?そもそも「数十例」とは、2099人の範囲でしょうか?

回復が見られる見られないに関わらず、患者さんの脳波や神経に直接的に、または間接的に、人工の機械の電波的なというか電磁波的な信号なり振動などが介入してくるとしたら、その反動も怖い気もするんですが・・・)

私たちは大学で培ってきた経験と技術を、ちゃんと社会実装しようということで、大学発のいわゆる研究成果活用企業、ベンチャー企業を立ち上げて、

数年以内に医療機器として販売していこうという計画を立てて推進しています。

 

脳を強化する新たなテクノロジーは、世界各国で開発競争が繰り広げられています。

白い枠の中を通過する、3台のドローン。

それをコントロールしているのは、

たくさんの電極をつけた男性です。

 

 

この大学が開発したシステムでトレーニングを積み、3台のドローンを操る脳波を出せるようになったのだといいます。

 

研究チームのメンバー デラウェア大学 パナジオティス・アルテミアディス准教授

「脳を機械によって鍛え、複数のロボットを動かすという新しい変化に対応できるようにしました。

数百台を同時に飛ばし、制御することも可能でしょう。

脳と機械をつなぐ研究が、未来の社会を助けることになると感じています」

(みなるん注:数百台を動かす時に、たくさんの人工の電極からの電波的なものや電磁波的なものの影響がないとでもいうのでしょうか?)

 

井上:実際、脳の拡張というのでしょうか。

これはどういうふうに捉えていいのでしょうか。

 

牛場さん:なかなか難しい問題です。

長期的に使っていくことで、脳の中に新しい機能が宿ると。

こういった装置をコントロールするための能力が脳に獲得されるわけですから、

長期的に見たときに脳に変容が起きるわけです。

こういったものが、果たして

本来の脳が持っている機能に影響を与えることはないのかといったような、

安全性の検討というのも併せて行っていく必要があると思います

 

保里:実際に、こうした技術を軍事に利用できないかという研究がアメリカで始まっています。

例えば、将来の戦場では兵士とドローンが通信して情報を共有できるようになったり、複数の戦闘機を脳波で操る兵士を生み出せるのではないかというのです。

こうした技術と私たちはどのように向き合っていけばいいのか、人類の未来について予測してきた世界的な理論物理学者、ミチオ・カク教授に聞きました。

 

理論物理学者 ミチオ・カク教授

「考えるだけでロボットを動かすことができます。

人間の能力が強化され、私たちは『スーパーヒューマン』になれるのです」

機械と脳をつなぐこの技術は、もろ刃の剣です。

例えば、独裁者は脳とつながる機械を使って人々の心をコントロールし、意のままに操れる兵士を作るかもしれません」』