軍事攻撃と復興の制限による、イスラエルのパレスチナへの集団的懲罰の歴史 | みなるんのブログ

軍事攻撃と復興の制限による、イスラエルのパレスチナへの集団的懲罰の歴史

 

https://www.amnesty.or.jp/library/report/pdf/Suffocating_The_Gaza_Strip_under_Israeli_Blockade_ja_201001.pdf

 

その2です。

シェアさせてもらった記事からの抜粋です。

2010 1

キャスト・レッド作戦の 1 年後も

イスラエルの軍事攻撃家から追われた 20,000 人を超える人びとは仮住まいをつづけている。

アパートを借りられる家族もいるが、

多くはテントや粗末な小屋に住むか、

既に超満員の家屋に近親者と共に滞在している。

 

モハメドとハリマ・ムスリ夫婦と 4 人の幼い子どもたちは、

ガザ市の北にあるジュホール・アルディク村で暮らしている。

家族は「キャスト・レッド作戦の開始時に、家を出て避難した。

その間に家はイスラエル軍のブルドーザーによって破壊された

 

「モハメド・ムスリ:

爆撃のあった最初の 2 日は家にいましたが、

近所の家屋が砲撃された時に出て行きました。

何も持ち出しませんでした・・・。

家に戻ったらすべてが壊されていました

私たちには何もなかったので、人びとが食べ物を与えてくれました

 

ジュホール・アルディクに戻って最初の 6 ヶ月間、

家族は雨漏りがするナイロン製のテントで生活した。

彼らはそれをより頑丈な仮構造物(写真を参照)に取り替えて、単純だが耐久性のある家をシンダーブロック(訳注:セメントと石炭殻を混ぜて造った中空の建設用ブロック)で建築中である。

しかし、引き続くイスラエル軍の侵攻で、残りのわずかのものも破壊されるのではと家族は心配している

 

「ハリマ・ムスリ:

軍は侵攻中、7 月からここに来ていました。

兵士たちは

【お前たちはまだ何も見ちゃいない。

次は家をお前たちの頭の上に落としてやる】

と私たちに言いました」

 

ガザでの軍事攻撃が終結して以来、

既に苦闘中だった保健部門は元に戻すためのさらなる闘いを強いられた。

封鎖が続いているため、保健部門は備品と医療品の不足に悩まされている。

ガザの病院に向けての医療用品を積んだ世界保健機関(WHO)のトラックは説明もなくイスラエルの国境警備員によって繰り返し追い返された。

イスラエルの境界封鎖によって、ガザで治療できない健康状態の人びとは、外国の病院か

西岸地区のパレスチナの病院で治療を受けるために

ガザを出る許可を申請する必要がある。

イスラエル当局は、こうした許可をしばしば拒否、あるいは遅らせる。

さらに、許可を得るには

ガザの病院と西岸地区のラマッラーにある保健省双方から得なければならない広範な証拠書類が必要である。

ガザのハマスと、西岸地区のファタハという対立する党派の間の調整がまずいために、必要な文書を得るためには官僚的な遅延が生じる。

ラファ検問所通過許可の遅延もエジプト側で生じている。

WHO は医療を緊急に受けないといけない人びとに遅延が生じるリスクを指摘しており、2009 年には許可を待つ間に 28 名の患者が死亡したと述べている。

そのうち 14 は、

イスラエルに抜けるエレズ検問所の通過待ちの人びとだった。

封鎖による遅延がなければ、これらの死は生じなかったかもしれないと考えられる。

 

ガザの人口の過半数 18 歳未満である。

通学など、子どもたちの日常活動引き続く封鎖深刻な影響を受けている

2009 年から 2010 年にかけての学年度開始時に、ガザの多くの生徒たちは教科書や筆記用具なしで勉強しなければならなかった。

教材を積んだトラックの荷が、ケレム・シャローム検問所でイスラエルによって止められたからである。

2008 年から 2009 年にかけてのイスラエルの軍事作戦の間

ガザの 641 の学校の内、

280 校が損害を受け

18 校が破壊された

封鎖建築資材搬入への継続的制限のために、損害を受けた学校を修理することはきわめて困難になっている。

「キャスト・レッド」作戦の後はガラスがほとんど入手できなくなり

損害を受けた学校壊れた窓はビニールシートと木材でおおわれているだけである。

学習しようとする際には、

子どもたち風雨にさらされるか自然光のない教室で格闘しないといけない。

 

(写真上)

オマール・ビン・ハタブ女子小学校の外に立つ子どもたち。ガラスがないために、教室の窓は修繕できてい

ない。©Amnesty International

 

 

2009 12 月の終わりに、国連事務総長の潘基文からの圧力で、

イスラエルはガザにガラスを入れる許可を出すと声明した』