豚熱と呼ばれるものと殺処分
『カナダ食品検査庁 2023/05/10
家畜や食品供給に影響を及ぼすとされる(家畜殺処分等の理由とされる)各ウイルスの存在を証明する研究、報告書
「ご請求の文書は存在しません」
この回答の意味は「根拠となる文書は世界のどこにもない」ということです』
『九州7県が豚熱ワクチンの接種推奨地域に指定されたのに伴い、
鹿児島県内9市町の12農場で27日、予防接種が始まった。
大規模農場が中心。
県は国からの供給本数や各農場の準備状況を見ながら、順次ワクチンを供給する。
初回接種後の追加分を含め、
2023年度内の接種頭数は約184万頭に上る見込み。
農林水産省動物検疫所は同日、
輸出に必要な検疫証明書の交付を停止し、豚肉は原則輸出できなくなった。
県畜産課によると、
初回の一斉接種は全522農場の約86万頭が対象。
生後30日未満の子豚と出荷20日前の肥育豚は除く。
家畜防疫員や知事認定の獣医師だけでは作業が追いつかないため、県は
各農場の生産者や従業員を打ち手に想定し、11日から必要な研修を始めた。
22日までに1100人が受講した。
初日は12農場のうち、家畜防疫員、獣医師による接種が各1農場、残りは従業員らが打った。
寿命の短い肥育豚は1回で済む一方、
3年ほど生かす繁殖豚の場合、
半年後に補強注射、
その後も1年ごとに接種が欠かせない。
新たに産まれた子豚も随時打つため、生産者はワクチンを打ち続ける必要がある。
県は20万頭分のワクチンを確保しており、今後10日ごとに同程度が届く見込み。
主に県動物薬品器材協会を通じて各農場へ届ける。
福重哲也課長は
「円滑に接種を進めたい。
不明な点は家畜保健衛生所に相談してほしい」
と話した。
Q 豚熱ワクチンは日本で使用歴がありますか。
A 1969年から2006年までの37年間、
国内ほとんどの豚に使っていました』
『2022年7月23日、
栃木県那須烏山市の養豚場で豚熱の発生(県内4例目)が確認されました。
今回の飼養頭数は約5万6000頭、豚熱では国内最大規模の殺処分となります。
那須烏山市の人口の2.25倍の動物が狭い農場に密に閉じ込められていて、
その全てが2カ月の間に殺されるというのは、社会の倫理観を崩壊させるような感覚にもなります。
これにより国内の豚熱は全83事例、殺処分数は合計約35万5852頭に。
私たちはいつまで、どれだけの命をこれからも無責任に殺処分し続けていくのでしょうか。
豚の場合、殺処分方法は消毒薬(パコマ)の注射や電殺、炭酸ガス殺です。
簡単に説明すると、
殺処分時のパコマ使用は国際的に認められておらず、
それだけ動物を苦しめるものと認識されているにも関わらず、日本では使い続けているのです。
電殺器は当てる位置がずれていたり時間が短かったり、メンテナンスが不十分であれば、効果が薄れ、動物を苦しめます。
炭酸ガス殺には専用のコンテナと測定器が必須ですが、現場では簡易なやり方で行われています。
そして5万6000頭分という数の多さを前に、
全頭の死亡確認が確実になされるという補償が全くありません。
以前の殺処分では、
死体を入れたフレコンバッグが埋める際に動いていたということも耳にします。
つまり、死にきれずに生きたまま埋められる豚がいるということです。
大きな豚は電気ショックを与えた後にパコマで致死処分をするというケースもありますが、
電気ショックだと気絶時間が長くはありません。
そのため電気ショックで痛みを感じた後に目覚め、またパコマで、動けない中窒息死するという
二重の苦しみを味わっている可能性もあります。
電気ショックの場合は、
スタンキルという、電気ショックで意識を失わせた直後に再度心臓部に電気ショックを与える方法が推奨されていますが、そのようなアニマルウェルフェアのことをあまり知らない自治体が多いというのが日本の実態です。
9月までの2カ月間、この農場では豚たちが殺されるときの恐怖と悲鳴が充満し続けることいなります。
遅くに殺されるほど、その恐怖、ストレスは高くなることは間違いありません。
嗅覚、聴覚ともに人間よりはるかに優れている豚に、
外からの異常な人の出入りと豚たちの悲鳴は相当なストレスをもたらすことでしょう』
『2019.03.12
豚やイノシシにかかる家畜伝染病「豚コレラ」が当初発生地だった岐阜県以外にも飛び火し、5府県に拡大した。
事態を重く見た政府はこれ以上の感染拡大を防ぐため、
感染が確認された養豚場で、自衛隊を動員し、約5万頭の豚を殺処分した。
さらに、3月からの野生イノシシへのワクチンの投与を決定し、家畜豚へのこれ以上のまん延を防ぐとしている。
殺処分の応援にかり出された自衛隊員のメンタルケアも課題となっている。
感染が確認された5府県のうち、自治体のみでは対応できないと判断した愛知、岐阜、長野の3県は自衛隊に応援を要請した。
3000人を超える隊員が駆けつけたが、
慣れない任務に苦しむ隊員も少なくなかった。
「自衛隊の活動内容は豚舎内での豚の追い込み、
殺処分した豚の埋却地への運搬と処理、
養豚場の消毒支援です。
このうち豚の追い込みは、
獣医師が薬品の注射や電気ショックで豚を殺すときに押さえる役目。
断末魔の叫びを聞き続けた隊員の中には、メンタルに変調をきたす人もいたようです」(農水省関係者)
自衛隊は東日本大震災の対応に当たった際には、多数の遺体を収容した隊員のメンタルケアとして、一日の活動を終えた後で、隊員同士で苦しみを共有する時間を設けた。
今回も同様の時間をとり、カウンセリングの専門家による治療体制も整えて活動にあたった。
農水省は3月から、
野生イノシシに対するワクチン接種を実施することを決めた。
イノシシに限らず野生動物にワクチンを接種するのは国内で初めての試みとなる。
一方で、野生イノシシではなく
家畜豚へのワクチン接種については、農水省は慎重な姿勢を取っており、まだ実施されていない。
仮にワクチンを接種すれば、
日本は国際ルールが定める「清浄国」でなくなり、
多くの国が日本からの豚肉輸入を制限するのは避けられない。
農水省関係者は
「取引は二国間で決めるため、全く輸出がなくなるというわけではないが、輸出できる自治体が限定されたり、国全体でも一定期間輸出できなくなる可能性が出てくる」
と警戒する。
豚コレラのワクチンは、過去には全国で接種され感染予防に貢献していた時代もあったが、
発生地周辺の養豚農家からはワクチン接種を望む声が根強い。
愛知県と隣接する静岡県の養豚協会は、
2月15日に吉川農水相に対して、ワクチン接種の実施を要請した。
同協会の中嶋克巳会長は
「愛知県内の養豚農家と同じ飼料会社と取引のある静岡県の業者も多く、明日は我が身だ。
殺処分ともなれば農家は再起不能になる。
補償金をもらっても穴埋め仕切れない。
ワクチンは最後の手段だというが、今こそ最後の場面だ」
と訴える。
養豚業界に詳しい農林族の自民議員は
「鹿児島や宮崎などの主要自治体に感染が飛び火すれば、豚価の高騰にもつながる非常事態にもなる。
そうなれば、ワクチン接種も選択肢として出てこざるを得ない」
と話す』