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感動しました!!素晴らしかったです!
「健全な未来は必ずある。」
そう最後に書かれて締めくくられていました。

読了。高橋洋一先生のご本はこれが一冊目ですが、とても丁寧に私でも分かりやすくて、そして勉強になりました。

この本は日本が借金まみれで日本国債は暴落してしまうだとか財政破綻しているという誤った報道や噂に対して、正しい真実をデータなどで検証しているものです。高橋先生は数学者を目指していらしゃったそうで、その夢破れ経済学を学び官僚になられ、大蔵省時代にアメリカに客員研究員として渡られ、講義に出ると日本の財政・金融政策がどうしようもないということを教授が教えていらしたそうで、その教授というのが、ベン・バーナンキ教授(現FRB議長)だったそうです。世界では経済学は数学者や理系の専門であるのに対し、日本では文系の経済学になってしまっていることから、文系的な"感覚"だけで「破綻」や「暴落」という言葉を使ってしまっていることがとても問題だと、はじめに、の中ではこのようなことが書かれていました。
そして、
(8ページ)
数学を知らず、定義もなく「破綻」「暴落」という言葉を使ってしまう識者と、それを疑いもなく受け入れてたれ流してしまうマスコミ。そして国民は、その被害者にさせられる。文系経済学の弊害は大きい。

と書かれています。デフレの原因が人口が減ったからという私も昔読んだ本ですが、この説も誤りでありました。何故なら物価上昇率と世界中の国の人口を調べても、世界で人口が減ってる国20ヵ国のうち、物価上昇率が最低なのは日本だけだからです。そして、人口が減少していても物価の上昇している国はいくらでもあるからだそうです。納得です。そしてデフレはお金の刷る量が足りないことが原因なんです。


第1章 誤解や嘘を解くための国債の基礎知識

国債ってなんだとか、国債がどうやって何のためにできたかなど学びます。
国債は、その国でもっとも信用力がある発行体である政府の債券で誰でも保有、投資ができ、金融機関、企業、個人、外国人、国自身も保有してるためにいつでも簡単に換金できて流動性が高いそうです。すると国債を媒介としながら株式や社債といったリスクの高い金融商品の取り引きも活発になり、結果、経済市場の発達に大きく貢献する、のだそうです。
また経常赤字になると国債が暴落する説に対しては、経常収支対GDP比と実質GDP成長率の関係のグラフなどが紹介されていまして、国債発行国が経常黒字とか赤字とかは財政破綻とは関係ないとありました。世界全体でみても経常収支赤字国が成長率が低くなるとか関係ないのだそうです。黒字か赤字かを国力と関連づけて考えるのも違うようでして、黒字なのは国内の貯蓄が過剰なだけだそうです。因みにアメリカ、カナダ、オーストラリアは常に赤字みたいです。
国債依存度という数字にも注意するよう、そして間違いを検証されていました。
国の財務残高は債務の総額ではなく保有している資産も見なくてはいけないということなども。。。


第2章 格付け会社を信用するな!

格付け会社は適当にやっているというお話、とても笑っちゃいました。高橋先生が20年くらい前に大蔵省の国債課にいらしたある時、前期の中期国債による調達が十分にできてしまったため、予定していた入札をキャンセルしたことがあったそうなんですね。
格付け会社は発行される国債ごとにも格付けをされていて、発行を取りやめた筈の国債にS&Pが格付けをつけたというニュースが流れたそうなんです。発行者が出してないのに、出なかった国債に適当に格付けしていただけだったということがわかり、そしてアメリカからわざわさ謝罪がいらしたそうで、その時に日本国債をどうやって格付けしているのか聞いてみたら
「独自の取材だ」と答えたんだそうです。色々質問してみても説明もできず、大蔵省が出しているデータすら見てなかったようです。適当過ぎて恐ろしいですね。そして格付け会社はお金をもらってるクライアントには悪い格付けがつけられなかったり、あとは依頼したわけでもないのに勝手に格付けしてるだけなんだそうです。
ので、格付けでなくCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を見ましょうということが書かれていました。


第3章 日本はギリシャのように破綻するか

ギリシャはしょっちゅう破綻していた国だったそうです。しかし、ユーロに加盟するまではそれが表沙汰にはなりにくい仕組みであっただけだそうです。
そしてユーロに加盟したことでまた破綻してしまってるのですが、なぜ、ユーロに加盟してはいけなかったのか、ユーロに適した国はどのあたりだったのか(読んでみてくださいね)、そしてユーロ参加国は経済変動の似た国でなくてはならないこと、主要国は戦争に負けても破綻はしない、この章も好きでした。


第4章 今増税すれば日本はこうなる!

デフレについてや、なぜ中央銀行がマネーの伸び率を増やすと名目GDPが増えるのかの仕組みを学びます。ここでもはじめに、にありましたように人口減少によってデフレになってる説の誤りを検証しています。そして日銀が国債を引き受けないことが読んでますと本当に呆れてくる理由だったりします。


第5章 日本再生の経済運営とは

金融緩和をどこまですべきか、そして日銀法改正はもちろんのこと、インフレ目標についてなど書かれています。

という、とても面白いご本でした!!高橋洋一先生のご本も色々読んでみようと思います!!