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読了。この本は麻木久仁子さん、ジャーナリストの田村秀男さん、経済学教授の田中秀臣先生の共著です。そして、

『本書の題名ー「日本建替論」ーは、二十年以上に及ぶ長期停滞で疲弊した日本の経済そして社会のあり方を根底から見直すためにつけられた題名である。「日本のいまの状況を立て直したい」「将来の人たちのためにいま目前にあるリスクを解消したい」という著者三人の思いが凝縮された題名である。』

とあとがきにあるように、これからの日本ついてどうしていくべきかが熱く語られている本です。
本の中は、著者三人の対談形式(クロストーク)で書かれていますため、難しい政治経済の話を分かりやすく読み進めることができ、とても勉強になります。
登場するのは、「震災」、「デフレ」、「増税」、「ゼロ成長」、「TPP」、「公共投資」、「雇用対策」などについての見解です。読んでいますとあーそうなのかーということが沢山でて来ます。

また最後の方では対談ではなくジャーナリスト田村さんの「100兆円余剰資金を動員せよ」と経済学教授の田中先生の「大震災と復興の経済学」、それぞれお二人の書きおろしのページがあります。

「大震災と復興の経済学」は平時と危機における経済政策について、過去の関東大震災(1923年)時を例に当時の経済学者はどのようにみて、そして政府が実際どのように対処していたのかなどが書かれていました。デフレ政策を押し勧める「清算主義」か、リフレーション政策を勧める「リフレ主義」かという対立も今と同じようにあったようです。関東大震災後の時も、増税や緊縮政策、デフレ政策が主流としてとられていたそうで、そのような関東大震災前後の政治経済状況と、それについての当時の経済学者やエコノミストの考えなど、投稿されていた新聞雑誌などを載せ紹介されていました。多くの経済学者は復興政策への方向はデフレ政策という考えが多かったとありました。
そして小泉信三さん、福田徳三さんら経済学者の活動意見が紹介されていました。また、石橋堪山さんのリフレーション政策は叶わず、政府のデフレ政策は止まず、その後金融恐慌、昭和恐慌となってしまったことが書かれていました。東日本大震災後と関東大震災後と復興政策がとても重なると書かれていました。
確かに、復興のために仕方ないとかそんな感じで、「増税」、、、になってしまいましたしね。。。

とても良い本でしたので、是非読んでください♪