さっきまで嫌いだった人が急に好きになったことが何度かあった。
若さゆえ、その人の一面だけを見ていたり、その人の発する言葉のぶっきらぼうさで、
きっと総合的に判断できなかったんだろう。
あのころは決めつけがちで、不器用で頑固だ。
たまたま山梨で嫌なことがあったり、
その出身のある人がセコかったりで、
山梨に対して良い感情を抱いていなかったのだが、今は大好きだ。
富士山の向こうの静岡県の人と共通しているのは、
心から良い人たちに感じること。
違えているのは、明るさを表に出すか出さないか。
山々に囲まれて冬が長いとどうしても感情を表に出しづらくなる。
これは似たようなとこ出身の僕がソースだ。
子供が授かると有名な那賀都(ながと)神社が山梨にあって、
なかなか子供ができなかった僕らは、藁にすがる思いで神社を訪ねた。
ウマがあったのか、縁があったのか、
二人もかわいいのに恵まれたのは本当、この神社のおかげだと思っていて、
今もお礼を兼ねて1年に1度は詣でている。
麓の駐車場から川沿いの山道を20分登る。
まだ小さい子供にはキツイと思うのだが、ふたりとも一度もここでは弱音をはいたことがない。
詣でたたあとは、
近くの日帰り温泉にゆく。
日帰り専用にした旅館みたいなところで、
家族を待つ間にノンアルビールでゆったり過ごす大広間もある。
そこで馬刺しのメニューを見つけ、
馬刺しにはうるさい僕は期待せず注文。
熊本でも最上のものを、
会津では特上のものを食べてきた経験があるが、
もしかすると一番ウマいかもと思った。
聞くと、冷凍ものではなく、
近くのお肉屋さん直送の生肉なのだそう。
でも熊本も会津も生だったけど、
山梨のは今までにないくらいうまかった。
新鮮さのレベルが違ったのか、
もしくは熟成具合がベストだったのか。
(写真はイメージ)
近辺は産地で、扱うお肉屋も何軒かあるそう。
すぐにその温泉に納入しているお肉屋を教えてもらった。
この後買って帰りますと伝えたら、
どのくらい食べるの?と聞かれ、
今日は200gもあれば良いかなと伝えたら、
帰り際にそのお肉屋さんから馬肉が温泉に届いた!買っといたよ、と。
きっと超純粋で、心からの親切。ありがたい。
温泉の泉質もとてもよく、
サラッとしていてとても温まる。
本当この温泉が家の近くにある人は、その幸せがいかに素晴らしいか気づいてほしい。
死ぬ間際に、入った瞬間の幸せを思い出すんじゃないだろうか。
山梨が大好きだ。
ただ1点、帰りの中央道の渋滞を除けば


