【佐々淳行】私を通りすぎた政治家たち~実名の回想録こそ後世に役立つ。
本書はメチャクチャ役に立つ、政治家および官僚の通信簿である。
有能か無能か、どれだけ国益を損なった無能さか、すべて実名で回顧する。
メディアが作り出した「○○の第一人者」的なエア評価など軽く吹っ飛ぶ破壊力。
世の中、回顧録や評論など読んでいて最もストレスが溜まるかつ減点要素となるのが、
「名前は差し控えるが」とかK氏とか登場人物をボカす記述である。そりゃ関係者や詳しい人には見当が付くのだろうけれど、一般の人には具体的個人が分からない。だから、たとえば選挙でまさに批判されている当人が立候補していても気が付かないわけだ。それで当選させてしまって、けっきょく国益を損なう第二章が始まったりする。そうしたことを防ぐには、真に国民に知恵をつけて賢明になってほしいと願うならば、大事なことは実名で書くべきである。
本書はまさに、その点が素晴らしい。
たとえば加藤紘一氏などは、むかしYKKとか3人トリオの一角として持て囃されたけれども、実態を知ればとてもそんな担ぎ上げる人物ではないと分かったはずだ。
さて。
本書で茶目っ気を感じたのは″お殿様″細川護熙氏のエピソード。
~~~~~
日本新党のとき、政治的知名度も新鮮さもあったが、殿様だからお金はなかった。政治資金がなくて日本新党は大変苦しんだ。私が半分冗談で「細川家代々の文化財をお売りになれば一億ぐらいすぐ出来るでしょう」と言うと、「いや、戦災で焼失してしまって」と言われる。「京都は戦災を免れたではないですか」と問うと、「いや、応仁の乱で」とのお答え。どうも浮世ばなれしていて、やはりお殿様だと思ったものだ。
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最後までお読み頂きありがとうございました。
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本書はまさに、その点が素晴らしい。
たとえば加藤紘一氏などは、むかしYKKとか3人トリオの一角として持て囃されたけれども、実態を知ればとてもそんな担ぎ上げる人物ではないと分かったはずだ。
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本書で茶目っ気を感じたのは″お殿様″細川護熙氏のエピソード。
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日本新党のとき、政治的知名度も新鮮さもあったが、殿様だからお金はなかった。政治資金がなくて日本新党は大変苦しんだ。私が半分冗談で「細川家代々の文化財をお売りになれば一億ぐらいすぐ出来るでしょう」と言うと、「いや、戦災で焼失してしまって」と言われる。「京都は戦災を免れたではないですか」と問うと、「いや、応仁の乱で」とのお答え。どうも浮世ばなれしていて、やはりお殿様だと思ったものだ。
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