もう6年も前の話
中学生最後の夏休みの出来事だった
父が、用事で高野山に行かなければならないというので、1ヶ月も家を空けるというのだ
まぁ、お坊さんだし、そーいうこともあるよなぁ
でも、母ちゃんもいるし、姉ちゃんも俺も学校始まるし
二世帯住宅の別棟にはおばぁちゃんもいる
問題はないだろう
と思ったんだ
そして、父が、高野山へ旅立った
同時に 母と姉も姿を消した
冗談かよ
鬼の居ぬ間に洗濯とはよくいったものだが
住職の居ぬ間にいなくなりやがった
でも、おばぁちゃんがいる
小さい頃から、唯一 家族で僕をぞんざいに扱わないでいてくれたおばぁちゃん
大好きなおばぁちゃん
ぼくを「からちゃん」と呼ぶことを許された唯一無二の存在
僕は、生活のすべてを祖母に委ねた
三食すべてを祖母の元で食べ、定期的なお小遣いももらえるはずさ
しかし、安穏かと思われた生活は、祖母のある一言により
わずか4日で破綻を迎えることになる
「のりちゃん(母)どうかしたの?」
もうこの家にはいられない
将来的なことを加味しても、ここで嫁姑問題を発生させるわけにはいかないんだ
僕は、祖母のもとを去った
そして、14歳の空源くんの、孤独な闘いが始まった
つづく