野良猫になつかれて早五日



もうそろそろこの生活にも飽き飽きしていたころだ



アパートの隣の部屋の住人は、日陰で暮らす陰気な大学生のくせに、昨日実家から戻ってきたらしく騒がしく物音をたてている



非常に不愉快だ





猫になつかれてから二日ほどたった日に、ベランダに洗濯物を干しているとき、先輩の助手席に女の人が乗っていたのを見た


うだつの上がらない彼が、女を連れ込むとは成長したものだ



そういえば、僕のアパートの部屋の、反対側の一番端の部屋の中年の部屋からも、この間女性が出てきたのをみた



猫がぼくのアパートの近くでお腹をすかせてたのもその日だ





夏は終わったってのに、みんなお盛んなことだ



中年の部屋がアパートの一番手前の部屋で、その部屋には、彼女のいる先輩の部屋があって

その、さらに隣が、車の助手席に女を乗っけていた先輩の部屋だ

そして、その隣は、僕の隣でもある陰気な大学生の部屋で



ようは合計で五部屋から成っている



そんなアパートの、一番奥の部屋に僕は住んでいるのだ





それにしても、夜中だと言うのに、隣の部屋は本当にうるさい




女の声がする



陰気な奴まで女を連れ込んでるのか


まったく、世の中には物好きな女もいるものだ




その夜は、苛立ちを押さえて寝ることにした



明日もバイトだ、早く寝なければ






翌日、早朝に部屋を出ると、隣の部屋から女が出てくるのをみた


髪の長い、陰気そうな女だ





なるほど、陰気どうしお似合いさ




数日前にみた先輩の車の女も髪が長かった気がする



しかし、そんなことはどうでもよかった







バイトが終わってアパートに戻ると、大家と会った


あら、もう帰ってきたの、と聞かれた


野良猫をベランダで餌付けしているのがばれるのも面白くない、はやく会話を終わらせたいところだ






「もうアパートの全員戻ってきてますよね?」


「え?いや、いまは手前の酒屋のおじさんと、真ん中の大学生とあなただけよ?」






変に話をしてもおかしなことになる、とその時は、そうですか、と流してその場を去った



まぁ、女を連れ込んでるんだから、大家に言いづらかったりもするのだろう





そんなことはいい、今日はバイトが遅れたから猫が腹をすかしているはずだ






と、急ぎ足で階段を登った






部屋に入り、猫に餌をやろうとベランダをあけた


なんだろうか、今日はやけに落ち着きがない


毛を逆立て、僕にたいしても警戒してるみたいだ



どうしたのだろう、怒っているわけでもなさそうだ







それから、シャワーを浴びて食事をつくり、食べようとした




その時、インターホンがなる



夜の8時だぞ?




受話器に手をやり、はい、と声をかける




「もしもし」



女性のこえだ



非常に暗い



気味が悪かった




「あの・・・・







私の猫、お宅にいませんか」










僕は、振り返りベランダを見た





猫が





猫が死んでいた









そして、部屋のドアが開いた音がした






鍵は間違いなくかけたはずだ








「私の猫を返してください」







「猫を返してください」









「猫を、猫を」











狭い廊下を、ペタペタとこちらへ歩んでくる音が聞こえた








どうやら、餌付けされていたのは、ぼくの方だったみたいだ










リビングのドアが開いて

長い黒髪が見えた




その奥にある目は、黒目が異常に小さかった








もう、それしか覚えてはいない
















暑さの残る秋の怪談シリーズ

「猫と女」


完





バイトいった



バイト先に、いつものようにマツコデラックス似のHさんがいた

なんでいつもいるんだろ?



「からちゃん、久しぶりー♪

あれ?そのリュックはお泊まり用?
お布団、私の隣空けとくね♪」





Hさんは、お客さん用の布団を、二人ぶん使う強者である。

僕の入る余地などないはずである。

しかし、そんなセクハラも、もういいかげん慣れてきたのも事実だ




からと「いやぁ、ははは」


H「あれ、風邪気味なのからちゃん?声ガラガラよ?」






っつうか待てよ



からちゃん ってのはさ、おばぁちゃん専用なんだぜ


てめぇみたいなマツコで拝み屋で付き合いも浅い女に呼ばれる筋合いはねぇよ





と思いながらも、仮にもお客さんだし、くそぅ




それにしても今日はHさんご機嫌だなぁ





そんなこんなでバイトが始まると


奥さんが出てきた


「あら、からと久しぶり、東北からいつ帰ってきたの?」

からと「おとついですね」

「お疲れさまだったねぇ」




そんな会話を聞いたHさんが覚醒しました




H「え・・・からちゃん、東北?え?」


からと「え?」



H 「ボランティア・・・?」


からと「はぁ、まぁ・・」



H「ぅ・・・・・





ぅぼほぅぇぇぇええええ!!!!!」




からと「えっ!?」





H「ぉぇええ!!!!ぅぷっからちゃん、あんた・・・ぉぇ、被災地からたくさん・・・おえっ」

























きたない









さっきまでとてもご機嫌で、健康そうなHさんは、僕が東北に行っていたと言ったとたんに、大袈裟に嗚咽をはじめました





もう帰りたいよぉ・・・



からと「どうしたんですか?」



H「あ、あんた、ぉえっ


悪いもんたくさん背中に乗っけてきてるよ!

今すぐお祓いしなさい!!


本堂で


お参りしてきなさい!!!!




ぅおえっ」












もう







うんざりなんだよ








H「今日、最初会ったときから、気分悪かったの、なんか変な感じしたのね、からちゃんの背中から」












う










うそつけぇぇぇぇええええええい









隣空けとくね♪





↑ウォオオオオオオオオオ








もう、真っ昼間から最悪ですよ




っていうか、被災地のひとにも、俺にも失礼だろ!




もう、この怒りをバイトにぶつけてやんぜ!!











そして、バイト終わり







「少ないけど、今日のぶん。」













ん?








先月、くそ忙しいなか、掛け持ちで入ったバイト料、まだもらってないぞ?









「また、よろしくね」








ん?







先月の五日くらいのぶんの給料、まだだぞ?









じゃ、お疲れさま♪










ん?

















ん?















東北いってきましたよ

二度目の東北ボランティアは大学の補助や様々な人からの支援、協力があっての賜物でした。感謝。なむなむ


今回は、
一回生の三浦義豊くん 愛知県・AB型
二回生、安田空源氏 北海道・O型
三回生、阪田拓哉さん 奈良県・B型
四回生、松井隆朋(笑) 和歌山県・A型

の、見事にバラバラにわかれた四人でいってきましたよ。





台風に追われながら、9月2日の夜に和歌山を発ちまして

3日に現地に入り、前回お世話になったひとや出会った人たちと再会を果たしました。


4日、女川町でボランティアを続ける坊さんと合流し、そこを拠点に仮設住宅を回ってお参りしたり話したり線香あげたりなんやしました。

田舎だから特にでしょうが、やはり日本人には、僕らの想像以上にそういった習慣が根付いていて、すごく喜んでもらえて、ぼくらも救われました。


※そうぞういじょう って打ったら「想像異常」しか出てこないこのファッキン携帯め



5日は、午前は前日と同じく仮設を回りましたが、午後はどっかの坊さんが来て被災地とか原発とかだけみて僕らにアドバイスだけして帰っていきました

なにしにきたんだろ



そして、ぼくらは女川町を去りました。



6日には、二日後に控えたイベントの為に、役所行ったりチラシ作ったり買い出ししたりをしました。

夕方は、前回も行った石巻市雄勝町で被災した漁師さんのもとを訪ね、再会を果たしました。


そしたら、あした草刈りしてくれ っていわれました


東北のひとはちゃっかしい



7日、午前はふた手にわかれ、チラシ配りと買い出し組でそれぞれ役割を果たし、ぼくは買い出しのときに生コン車と事故りそうになり、その運転手の兄ちゃんがめっちゃ降りてきそうで、危うくボコボコにされそうだったのでニトリに避難しました。

東北のヤンキーって、ほんとに強そうだからいやだなぁ



そして、午後は雄勝にて草刈りのボランティアをして、いい汗をかきました。


でも、ひとりは草刈りせずに漁師さんと話してばっかで、呪詛ろーかなと思ってたら結局めっちゃくそ重そうな船のエンジン持たされたりしててざまぁねぇなと思いました。




最低ですか?






そして、8日

石巻の仮設住宅の集会所を貸しきって、お茶会を催しました。

そこで、いろんな人に来てもらって、話したりお茶飲んでもらったり

ゆったりした時間を過ごしてもらえました。


そのひとたちの「ありがとう」が
とても嬉しかったなぁ



でも、あいた時間にキャッチボールしてたら
その仮設にすむ人の車にボール当てて怒られた

きまずぅ




そして、夕方は、仮設の子供たちを集めて縁日をしました


スーパーボールすくいや駄菓子が飛ぶようになくなり

子供たちの笑い声がたくさん響いてて、すごくジーンときました。



やっぱり子供のパワーってすごいんだなと痛感しました。


自分の子供はいらないけど

はやく甥っ子や姪っこが欲しいと最近常々思ってます




そのあとも素晴らしい出会いや体験がありました



が、長くなるのでまた今度書こーっと






のどガラガラだから電話しても誰か気付かれないのが今日の悩みでした。




ジーザスクライスト