子供にとって
「大人は自分を守ってくれる存在」
と認知される事はとても良い事だと思います。
故に過度な叱責や体罰による指導は反対です。
しかし一方で、
「大人には何をしても、怒られる事もなければ、叩かれる事もない」
と認知される事は大変危険だとも思います。
教育論では、仮に子供が大人に対して暴言を吐いたり、叩いたりした際、叱責や体罰以外の何らかの対応法があると思います。
そしてその対応によって、いずれは改善するとします。
しかし改善するまでには個人差があります。
ある子は言われてすぐに改善、ある子は何度言っても改善しない事もあります。
教育論では、すぐに改善しなくても、根気よく、或いは工夫をして、あくまで愛情をもって接する事が王道だと思います。
しかし、改善するまでの間に、取り返しの付かない失敗をしたらどうでしょうか?
近年の事例では、すしペロ事件やバイトテロ事件。
或いはイジメの加害者になり、相手に大怪我を負わせたり、命を奪ったり…
先程の例に挙げた事件の多くは中学生以上ですが、私の体感上、そのような子は中学生になっていきなり豹変するのでなく、小学生以前からその性根は変わらなかったと思われます。
そのような子は大人になって更生する事は充分にあります。
しかし今の時代、
「昔はヤンチャしていたけど…」
が通じない時代になっています。
そのヤンチャとやらが、一生ネットに残る可能性があるのです。
故に幼少期から“躾”をして、どんなに遅くても中学生までには道徳やマナーを理解させる必要があると思います。
先述の通り、躾の結果には個人差があります。
言葉で諭して改善するならそれが一番良いのです。
しかしそうならないケースも珍しくありません。
以前、大人を叩く小さい子に優しく注意をしました。
「叩かれたら大人でも痛いんだよ」
等、子供にも理解できる言葉を選び、言い聞かせました。
「もう叩いちゃダメだよ」
と語りかけたら頷きました。
しかしその直後他の大人に走ってゆき、蹴りを入れました。
その際私は、大きな声で叱責しました。
他にも、組手稽古の際、
「顔を叩く事は反則です」
と言った直後に、わざと顔を叩く子もいました。
その時も私は大声で怒鳴りました。
これが昭和の空気感なら、ゲンコツの一発(体罰)は普通にあるでしょう。
しかし令和の空気感では、大きな声で叱責する事自体、もしその部分だけを動画で撮られてSNS等で公開されたら確実に炎上するでしょう。
最悪空手教室を閉鎖する事になるかも知れません。
しかし大きな声で叱責する効果はありました。
その子達は以降、マナーやルールを守りました。
技術指導で怒鳴ったり体罰は駄目だと思っています。
しかし、道徳的、マナー的にやってはいけない事をした時に、怒鳴られる経験がない事は、果たしてその子にとって良い事なのか疑問です。
つまり理想の教育論(いかなる場合も子供に恐怖を与えない)と時代が合っていないと感じます。
ネットが無い時代ならば、理想の教育論を追求しても良いのかも知れません。
しかしゲンコツを完全に否定した現代の教育は、子供(中学生以降)が社会通念に反する事をしてしまった時に、ゲンコツ百発どころではない不利益が、その子に降りかかる可能性があると感じています。
私の立場では、そんな自分の価値観と、時代の価値観の間で、上手くバランスを取りながら子供に携わるしかないと思います。
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