私は生徒に、
「稽古が前座、その後の飲み会が本稽古」
と主張しています。
これは半分は冗談ですが、もう半分は真面目にそう思っています。
今日はその訳を順を追って説明します。
まず私が空手や武術を人にお伝えする上での大切にしている事は
「楽しんでもらうこと」
にあります。
その大前提を更に突き詰めると、
「みんなに楽しんでもらうこと」
になります。
例えば、誰かが礼儀やマナーを守らずに自分勝手にふるまうと、その自分勝手な人間だけは楽しいかも知れませんが、周りは不愉快になります。
かといって、皆が皆、杓子定規になり過ぎたり、禁欲的になり過ぎても、楽しくはありません。
そこで本題です。
稽古中は基本的には気を張って、集中して取り組みます。
しかし、稽古後の飲み会は稽古中よりは気が緩みます。
むしろ、気を緩める為に飲み会をするとも言えます。
「適度に気を緩める」
これは技術論に置き換えると
「適度に脱力する」
とも言えます。
例えば、
「乾杯!」
とビールを出す時の動き。
このテンションや力感で組手中に突きを出すと、非常に反応しづらい突きになります。
※基礎基本が身に付いた上での話です。
しかし稽古中、特に組手中の緊迫した空気感では、中々そこまで脱力できません。
このように、
「適度に気を緩める」⇔「適度に脱力する」
の相互関係を飲み会で学べることが理想です。
そして、そもそも
“誰もが”適度に気を緩める事ができる飲み会
である事が必要です。
そこでここからは私が考える飲み会の心得を述べます。
【飲み会の心得】
1.参加を強要しない
2.酒を強要しない
3.喋る事を強要しない
4.皆の共通話題を心掛ける
5.皆の健康状態を心掛ける
1.参加を強要しない
2.酒を強要しない
3.喋る事を強要しない
1~3には「強要」というワードが入っています。
「強要」を戦いに置き換えると、
「プレッシャー(圧)を与える」
と言えます。
これは、組手で必要な要素です。
そして組手中に相手にプレッシャーを掛ける際は、相手のリアクションを感じ取り、
「プレッシャーを感じたのか?感じていないのか?」
の見極めが必要です。
飲み会でも、
「自分の言葉が相手にプレッシャーを与えているか否か」
を見極める必要があります。
「また参加しないの?」
「ちょとぐらい飲めない?」
「なんで喋らないの?」
これらのような声掛けは、相手が不快な思いをしていないでしょうか?
組手ではプレッシャーを与えて相手が不快にさせる事が基本ですが、飲み会は、というより日常では、その逆で相手が不快にならないよう心掛ける事が大切です。
4.皆の共通話題を心掛ける
5.皆の健康状態を心掛ける
そして多様な価値観や感性を認める事も大事です。
飲み会に参加しなくても(皆で集まる事が苦手でも)仲間を大切に思っている人がいます。
酒を飲まなくても、飲み会を楽しめる人もいます。
喋らず、人の話を聞くことが好きな人います。
多様な価値観や感性を認める考え方を、戦いでの考え方に置き換えると、
「多様なスタイルの相手がいる」
「先入観(思い込み)が強い状態で対戦すると隙ができる」
と言えます。
そして4、5には「皆の」というワードが入っています。
「皆(全体)の事は考えず自分だけが楽しむ人」
は、皆の共通話題を出そうという考えにはなりませんし、具合が悪い人がいても気付かず喋り続ける場合があります。
武術は1対1の戦いだけではなく、対複数も想定します。
また護身術に於いては、大勢の人間の中からいち早く危険な人間を察知する必要があります。
つまり、
「全体を見る」
事が非常に大切です。
また、格闘技でも試合は1対1でも、その試合に臨むまではチーム戦と言えます。
自分の試合の為に尽力してくれた方に感謝できない人は、人が離れて行き、ひいては良い状態で試合に臨めなくなります。
このように、
「皆が楽しめる飲み会」
を成立させる背景には空手や武術の極意と共通するといっても過言では無いのです。
故に私は、
「稽古が前座、その後の飲み会が本稽古」
と主張したのです。
まあ、半分はこじ付けですが。
しかしもう半分は真理だと思っています。
↓ビジター参加をご希望の方はこちら↓
↓セミナー参加をご希望の方はこちら↓
LINE公式アカウント登録者募集中〈DVDの一部が無料視聴できます〉
https://lin.ee/vVzb6cz
川嶋塾ホームページ(上級者向け)
川嶋空手教室(初級者向け)
https://karate.kawashimayu.com/
動画チャンネル(空手や武術やコアな情報を発信中)
https://www.youtube.com/channel/UC1SKpkLky1mYmwFACEJb1sA
著作・DVD一覧(新作順)