人間は、大きな力を発揮したい時の呼吸状態は、
「息を吐く」
又は、
「息を止める」
かです。

例えば、重いモノを持ち挙げる時に「息を吸う」人はいません。
試し割り等の演武を行う際も、
「気合い(息を吐く)を入れながら」
又は、
「気合いを入れ、息を止めてから」
打撃を放ちます。

そして、気合いを入れる前には、
「大きく息を吸う」
事になります。

しかし、組手で、「呼吸」が相手が読まれてしまう事は厳禁です。
原則として「息を吸った時」は、

・反応が遅れる

・耐久力が下がる


為です。
つまり、相手が「息を吸った時」は攻撃チャンスと言えます。

しかし、相手が「息を吸った時」に攻撃を出そうとしても、打撃を強く当てようと自らも「息を吸ってから」出したのでは、相手が息を吸ったタイミングに間に合いません。

・相手が息を吸った!
・チャンス!攻撃だ! → 息を吸う。
・攻撃! → 既に相手は息を吐いている(チャンスは終わっている)。

となります。理想は、

・相手が息を吸った! → 攻撃!

です。
このシンプルな式を確立させる為には、
自分は息を吸っていようが吐いていようが打撃を出せるようにしなければなりません。
更に、自らにも隙を作らないよう、息を吸っていようが吐いていようが受け(カウンターも含む)が出来るようにしなければなりません。
また、打たせ稽古等では、息を吸いながら打たれる練習もしなければなりません。

これら呼吸に重点を於いた技術には、横隔膜の動きが大きく関わります。

一例として、単純に息を吸った状態(横隔膜が上がった状態)で打撃を受けては、身体に悪影響を及ぼしますので注意が必要です。

「横隔膜を下げたまま息を吸う」という「技術」を習得する事が目的だと知らなければなりません。


呼吸、横隔膜の動きに無頓着では、壮年の選手は、心肺機能に勝る若い選手に勝つ事は難しいでしょう。
若い選手に勝つには、
「呼吸と技術の関連性」

を熟知しなければいけません。


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