やあ、みなさん、私の研究室へようこそ。
ロシア海軍黒海艦隊の旗艦モスクワが沈没しました。
https://www.bbc.com/japanese/61145738より転載
これまでも、ロシア軍が弱さを露呈したり、明らかな失態があったりしましたが、
改めて、ロシア軍ってポンコツなんじゃないのか?
と思いました。
メディアの報道とか、ネットのコメントを見ていると、
旗艦が沈められた、ということを
ずいぶんと大事のように受け止めているように見えます。
しかし、旗艦が沈められたぐらいでそんなに影響ありますかね、
と思うのです。
日本海軍では、大東亜戦争の海戦で、旗艦が大損害を受け、旗艦を別の船に移す、
ということが何度かありました。
マリアナ沖海戦では、
旗艦大鳳が大損害を受けたため、巡洋艦羽黒に旗艦を移しています。
こういうことは、他の海戦でも行われています。
旗艦が損害を受け、指揮に支障が生じそうになったら、
別の船を旗艦にして、そちらで艦隊の指揮を継続する。
これは、考えてみれば当たり前の話で、戦闘が続いているのであれば、
旗艦がどうなろうと、指揮に支障が生じないように、
旗艦を移すなどの措置を取るのは当然のことです。
モスクワの乗組員を救出したのはトルコの船だそうで、
ロシア海軍の他の船じゃねえのかよ、他の船は何やってたんだ?
と思いました。
モスクワが単独で行動していたのだとしても、
海上自衛隊なら、US2飛行艇を発進させ、救助作業をするでしょう。
船も出動するでしょうが、船は速度が遅いので、
とりあえずは飛行艇で小規模ながら、救助作業をさせるでしょう。
本格的な救助は、船が到着してから、ということになるでしょう。
ロシア海軍には、世界唯一のジェットエンジンの飛行艇があります。
なんでこれを出動させないのか?
そういう意味でもポンコツだな、ということになります。
モスクワ沈没の原因は、
ウクライナの対艦ミサイルが当たったことが、有力ですが、
ロシアは、火災だと言っています。
これは、どちらであっても、ポンコツだ、ということになります。
海上自衛隊の香田元海将は、
「軍艦は二重三重の防火策を取っている」
と言っています。
ということは、
そういう防火策を取っていたにもかかわらず、 火災で沈没した、
ということで、大失態です。
つまりポンコツだ、ということになります。
それどころか、二重三重の防火策なんかほんとに取っていたのか?
という疑念も生じてきます。
十分な防火策を取っていなかったとしたら、
本来取るべき防火策を取っておらず、
それによって大事な戦力である大型艦を失った、
ということで、これも失態です。
つまり、ポンコツだ、ということになります。
そもそもろくに防火策を取っていないのではないか、
と思うのには、根拠があります。
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軍艦などの「ダメージコントロール」については、
米西戦争や日清戦争の頃から
艦艇などの被害を軽減する方法として知られていた。
現在、この分野においては、
太平洋戦争中に大規模な海戦を経験したアメリカ海軍や
大日本帝国海軍の頃の戦訓を取り入れた海上自衛隊のノウハウは、
世界でも類を見ないものになっている。
一方、日米の艦艇と比べると、
それらの経験が比較的少ないヨーロッパ諸国やロシアの艦艇は、
被害対策に対する意識の違いが表れているのが分かる。
ヨーロッパ諸国やロシアの艦艇は 居住区などの居住性が良い一方で、
現在でも可燃性のある材質を使用していたり、
延焼を食い止める構造が弱かったり、
被弾すると危険な箇所に士官室が配置されていたりする。
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ウィキペディアから引用。
ロシア海軍は、日露戦争以後、本格的な海戦を経験していません。
ヨーロッパの艦艇でさえ、ダメージコントロール上、問題があるのだから、
ロシアはもっと問題あるだろう、
と思ったわけです。
火災でなく、ミサイルが当たった場合でも同じことが言えるのです。
モスクワには、対艦ミサイルを防ぐ手段がいくつもありました。
射程の長い艦隊防空用の艦対空ミサイル
射程の短い艦対空ミサイル
機関砲によるCIWS(近接防空システム)
速射砲
以上は、ミサイルを撃ち落とす手段ですが、
ソフトキルといって、電波妨害などで、ミサイルの進路を誤らせる、
という手段もあります。
これだけ防ぐ手段がありながら、防げなかった、ということになるのです。
対艦ミサイル防御策が全て通用しなかった、
つまり、能力が低い、つまりポンコツ、 ということになるのです。
故障していた、ということもありえますが、
その場合でも、大事なシステムが故障して、大事な船が沈没、
そんな失態を演じるのは、やっぱりポンコツ、ということになります。
ロシアの説明では、火災が起きて、総員退艦となったあと、
他の船に曳航させていたら、海が荒れて沈没した、と言っています。
これは、イギリスの駆逐艦シェフィールドとそっくりです。
1982年のフォークランド紛争で、
シェフィールドは、アルゼンチン軍が放った対艦ミサイルを食らって沈没しました。
当時の新聞報道では、ミサイルが当たって沈没した、
という程度しか書かれていませんでしたが、
大分たってから、詳しい状況がわかりました。
ミサイルは当たったものの、不発で、ミサイルの燃料が燃え続けたため、
火災が起き、この火災を消火できずに、艦を放棄、
他の船に曳航させている途中、荒天にあって沈没したのです。
モスクワもミサイルが当たり、火災が起き、消火できずに総員退艦、
他の船に曳航させているときに、荒天にあって沈没、
ということであれば、シェフィールドとそっくりです。
モスクワに当たったミサイルが、
不発だったのか、ちゃんと炸裂したのかは、わかっていません。
もし不発だったら、全く同じになります。
シェフィールドを沈めた対艦ミサイル フランス製のエグゾセは、
世界的に有名になり、かなり売れました。
”ヒット商品”になったわけです。
しかし、不発だったことは知られているのか。
当たったはいいが、実は不発だったということを
知らないで買った国が多いのではないか?
という気がします。
エグゾセは、
グラモーガンという駆逐艦にも当たりましたが、そのときも不発だったのです。
(グラモーガンは乗組員の対処がよかったらしく沈没を免れました)
これを知ったとき、エグゾセって欠陥品じゃないのか?
と思いました。
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イラン・イラク戦争において、
イラク軍は200発とも推定されるエグゾセの空中発射型を
ミラージュF1により運用してイラン海軍の艦艇を攻撃したが、戦果はまちまちであった。
投入されたエグゾセは、タンカーやその他の民間船にもしばしば命中したが、
大部分が不発であった。
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↓
ウィキペディアから引用。
ありゃ?これじゃ、ロシア軍だけじゃなくて、
エグゾセもポンコツだった、という話になっちゃうな。(笑)
メディアでは、巡洋艦の沈没は、第2次大戦以後では、
フォークランド紛争のヘネラル・ベルグラーノ以来だと言っています。
ベルグラーノは、元は、アメリカの軽巡洋艦フェニックスで、
第二次大戦後、アルゼンチンに売却されたものでした。
前述したイギリスのシェフィールド同様、
1982年のフォークランド紛争で撃沈されました。
イギリスの原子力潜水艦コンカラーの魚雷攻撃を受けたのでした。
これは、原子力潜水艦による敵艦撃沈の世界初の事例となりました。
昔読んだ本では、ベルグラーノは魚雷を食らったとき、
乗組員たちは、昼の休憩をしていたと書いてありました。
ベルグラーノは、丸1日以上、コンカラーに追尾されていたのに気づかず、
魚雷命中からわずか20分で沈んでしまいました。
大東亜戦争でのフェニックスは、
日本の特攻機の攻撃をかわしきり、終戦まで生き残りました。
この違いは、乗組員のレベルの差かな、という気がします。
沈没直前のベルグラーノ ウィキペディアより転載
こういう記事の場合、テーマは外交防衛研究にするのですが、
軍事的豆知識みたいな感じになったので、今回のテーマはトリビアにしました。
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