最近では秘教のルーツを
古代ペルシャ(イラン高原のアーリア人)に
みてきたこのブログ。
しかし、このあたりの古代史をみていくと、
どうしてももっと広い範囲で
「オリエント」をみる必要があると思っていて。
人類文明発祥の地と言われるオリエントは、
古代秘教の発祥の地だったと思われます。
中公新書の『オリエントの神々』
小林登志子・著によれば、
古代オリエントは
東方はインダス川、
西方はナイル川に挟まれた地域。
現在の西アジア全域と、
アフリカ北東部を含む地域のことです。
この地域が人類文明発祥の地と言われ、
あまたの神々の祀られた、
宗教発祥の地とも言われる訳です。
紀元前4000年といわれる、
シュメール文明の神々。
紀元前3000年といわれる、
エジプト文明の神々。
バビロニアでは同時代、
様々な魔術が行われていたそうです。
これらのオリエント文明が、
集大成されるきっかけとなったのが、
ペルシャ帝国の成立でした。
そこで生まれたのがゾロアスター教で、
この神官・聖職者を
「マギ」と称します。
たんに神事をするだけでなく、
医術や占星術にも通じていたのが、
ゾロアスター教のマギたちです。
聖書に書かれた「東方の三博士」は
このマギのことですし、
ギリシャにもかなり影響を与え、
プラトンがわざわざマギに学んだことは
以前の記事に書かせていただきました。
紀元前4世紀にはアレクサンダー大王が、
オリエントの広範囲を征服して、
文化や宗教はかなり混交していきます。
西アジアの宗教と、
ギリシャ・ローマの哲学が混交し、
グノーシス主義が発生し、
大流行しました。
これは原始キリスト教に多大な影響を与えます。
キリスト教の「正統」が何なのかは、
グノーシスという「異端」によって
規定されていったといっても過言ではありません。
それから、少し前に書いた、
国際都市アレクサンドリア。
アレクサンドリアの大図書館は、
私たちの知る「図書館」のイメージを越えて、
多くの文書(巻物)があるだけではなくて、
神殿の要素も兼ね備え、
また多くの秘教学徒の学び舎にもなっていました。
プラトンやピュタゴラスの影響を受けて、
新プラトン主義が生まれたのも、この地でした。
オリエント秘教は、
ミトラ(ミスラ)教という形で
西方にかなりの影響を及ぼし、
その一部はイスラームの神秘主義にも
受け継がれていったようです。
のちのルネサンスの文化や
ユダヤ教のカバラにも多大なる影響を与えています。
秘教の骨格である、
第一の神、超越者、一者、父
第二の神、ロゴスの神、叡智、子、
第三の神、活動知性、原初物質、女性原理
という三つ組は、
この流れの中で生まれました。
キリスト教は父・子・精霊、
ミトラ教ではズルワーン・ミトラ・レア―、
神智学では第一様相・第二様相・第三様相、
などというように、
多くの秘教の「三つ組」に流れ込んでいるのです。


