玉川上水は羽村市からいくつかの段丘を経て、
武蔵野台地のりょう線部を流れて、四谷大木戸へ到達する導水路です
全長約43㎞。
徳川三代将軍家光の時代に参勤交代が始まると、
全国から大名とその家臣、家族が移り住むようになります。
人口が増加して、既存の神田上水では水が足りなくなりました。
そこで玉川兄弟(庄右衛門・清右衛門)を工事請負人に任命、
1653年(承応2年)から玉川上水の工事に着手。
なんと、約43㎞をたった8ヶ月で開削したそうです
(江戸時代のことを調べていると、土木工事の速さに驚かされます)
▼今回の玉川上水散歩は三鷹から出発です。
羽村市で多摩川から取水した玉川上水は、
ちょうど三鷹駅のあたりでJR中央線と交差しています。
▼三鷹駅から三鷹の森ジブリ美術館方面へ向かう、
玉川上水沿いの道は、「風の散歩道」と呼ばれています。
(ジブリみを感じます)
▼ジブリみの一方で、太宰治のファンならばお馴染みの玉川上水です。
三鷹市下連雀に住んでいた太宰先生。
むらさき橋のあたりで、愛人の山崎富栄さんと入水しております。
▼玉川上水沿いは、都会のオアシス。
グリーンベルトとして、武蔵野の自然の面影を残しています。
気温30℃を超える真夏の散策だけれど、
水の気配を感じながら木漏れ日の下を行くのは気持ちがよいです
蝉しぐれがすごい。
▼夏の生い茂る植物に隠れて、肝心の玉川上水はあまり見えませんな~。
水量は少なめ。
▼コナラ、クヌギ、イヌシデ、アカマツ、イチイ、ヤマザクラ……
玉川上水沿いにはたくさんの樹木が残されています。
▼木の語りかけてくるものに、しばし耳を傾けます。
いのちの言葉を聴こう。
▼日陰でけなげに咲いている小さな紫陽花。
かわいい子シリーズその1。
▼かわいい子シリーズその2、木槿(むくげ)の花。
光って白っぽく見えるけれど、実際は淡い赤紫色。
花言葉は「信念」、「新しい美」。
▼かわいい子その3、これは誰でしょう。
キョウチクトウ科の植物でしょうか、5弁の小さな白い花がかわいいです
マダガスカルジャスミンのようでもあるけれど……知っている方、教えてください。
▼オオシオカラトンボがいました。
自然を残す、大切な役割を持っている玉川上水なのです。
体の色がきれいな水色なのはオス。
▼ここが太宰治ゆかりのむらさき橋です。
かつては「人喰い川」とも呼ばれるほど水量があったようです。
▼むらさき橋からのぞき込むと、こんな感じ。
やっぱり現在の水量は少ないと感じます。
太宰先生が住んでいた頃は、もっと水量が豊富だったのでしょう。
▼つたの絡まる立派な木。
私には昇ってゆく龍のように見えます。
▼玉川上水沿いには山本有三記念館もあります。
現在は長期休館中のようでした。
以前、中に入ったことがありますが、大正期のたいへん美しい洋館です。
▼代表作『路傍の石』の石。
囲われて説明つけられると、路傍の石感がなくなるという矛盾……
▼だんだんゴールの井の頭公園に近づいてきました。
一時、使われなくなって荒れてしまった玉川上水を守り残すため、
1986年(昭和61年)から下水道を処理した再生水を流しているのだそうです。
▼ここが井の頭公園とぶつかる萬助橋。
左に折れると井の頭動物公園、右に折れるとジブリ美術館。
▼萬助橋から見下ろした眺め。
鬱蒼とした緑の中を走る玉川上水。
▼そして、公園の中の土の遊歩道へとつながっていきます。
この奥も気になりますが、今回はここまで。
ここからは神田上水の源流、井の頭池探索に突入
待て、次号←そこまで楽しみにしている人がいるかはわからないけど