数年前に見た夢です。
「私が〇したの」
彼女は突然、表情も変えずに打ち明けてきました。
ここ最近、世間は連続児童〇傷事件のニュースで持ち切りでした。犯人は幼い子どものみをターゲットにして命を奪っており、つい先ほど雑貨屋の待ち列で会話を交わし、仲良くなったばかりの彼女は、自分こそがその犯人だと淡々と告白してきたのでした。
私は彼女を刺激して自分に実害が及ばないよう、無関心を装いながら「ふうん。なんで殺したの?」と尋ねました。
「不細工だから」彼女は間を開けずに答えました。
彼女の主張に異議を唱えたらどんな反応を示すかな。気になった私は敢えて小さく反論してみることにしました。「そう? ニュースで被害者の顔を見たよ。写真を見る限りでは十分可愛いと思うけどなあ」
実際のところ、被害に遭った子どもたちの顔なんてほとんど覚えていないんだけどな。
しかし、予想に反して彼女は無言で首を振るだけでした。そうきたか。
「なんでオトナは狙わないの? 力が強いから?」
私は重ねて尋ねました。
「だって、もう手遅れだから」
彼女の表情からはなにも読み取れません。彼女の理屈でいくと私は救うにはもう手遅れなので、ひとまず、私自身がターゲットにされる心配はなさそうです。
しばらく他愛もない話をして彼女と別れたあと、夕暮れどきのまちを見渡しました。
遠く、集団下校の影が見えました。
そこで目が覚めました。