あー…行ったんだけどねえ。

覚えてないや。

夏休みの家族旅行

食ったもんは食った順に

飲んだ酒は飲んだ順に

どんなに高級だろうが高価だろうが

旨かろうが

順番に忘れていくのが私だ。

 

初めの頃は夫も

これ、いついつ食べただろ、

とか

飲んだだろ、とか言っていたが

もうなんにも言わなくなった。

(夫は美味いモノや酒を

飲み食いした場所と時間を

恐ろしいほど克明に覚えている)

 

旅行もそうなんである。

テレビにきれいな景色が映って

 

「あ、ここきれいねえ」

 

なんて言おうものなら

 

「ここいついつ言っただろ」

 

とあきれたような口調で

返って来る。

そりゃー多額の交通費と

宿泊費をかけて行った場所だ。

たまーに自分が運転して

連れて行った場所だったり

することもある。

何にも言わずやりすごすワケにも

行かないんだろう。

 

ホントにこんな悪妻持って

気の毒な男である。

へへ…

 

夏の家族旅行は、

若い頃はあちこち

(どこ行ったかはとんと覚えてないが)

夫と行った。

(いい歳になってからは

道内一人旅ならしたが。

道東から道南へ、

母のいた施設にに行くとなると

ふつーに「旅」である)

 

結婚前の実家の家族とは

旅行には殆ど、ていうか

全然行ってない。

父が

私が小学校5年から

高校2年くらいまで

入院していて、多分

旅行どころじゃなかったのだ。

高校へ上がった年に

ようやく一時帰宅が許された。

私の地理音痴は、旅行経験が

無かったからかもしれない。

(んなことないか照れ。)

 

学校のサークルで、

なんでそんなことに

なったかは分からないけど、

同じ学年のコが揃って

北海道地図を見ていた。

同じ学年一のモテ子さんが

鈴を転がすようなという

言い回しぴったりの

高くて可愛くて人懐こい声で

 

「ここをこう行って、ここも行った…」

 

とか言いながら地図のあちこちを

なぞっている。

お父さんの運転で

家族旅行に行ったルートを

なぞっていたのだ。

それはとても広範囲で、

大きな北海道の

あちこちを彼女の

小さくて華奢な人差し指がなぞった。

 

ああこの人、地名を聞いて

どのへんにあるのか

分かるんだな。

そうだよね、実際行ったんだもん。

お父さんのクルマで。

こんなに沢山、

お父さんに連れて行って

貰ったんだ。

こんな可愛いコだもんね、

お父さんだって

可愛がったんだろうね…

 

ナマイキで可愛くなくて

地理音痴の私は、

随分僻んでいたと思う。

今でこそ、大きめの町の名を

言われれば、

大体の位置こそ分かるけれど。

 

最近は何年も、旅行行ってない。

コロナ禍以降、

行くのは夫の実家だけだ。

 

あー行きたくね。

 

何だか知らないが、

2年くらい前から

いちいちうるさい。

言われた時間に起きて

台所へ行けばまだ起きてない。

2階の寝室に帰って

下の台所で音がしたと

思って降りて行けば

こんなに早く起きてこられたって

とイヤな顔をされる。

家事の細かな違いに金切声を

あげる、

夫のいない所で

やりたい放題の夫の母に

もう会いたくないのだ。

 

あんた一人で行って。

って言っちゃおうかな。

案外その方が、あちらも

いちいちイライラしなくて

いいんじゃないか。

 

夫を送りだしたら、

クルマで景色のいい海沿いでも

ドライブしようかな。

結局

家族旅行より一人旅になってしまった。

人生だわー照れ

一人旅で食った希少部位。店の兄ちゃんが焼いてくれた。美味かった照れ(一人旅だと覚えてるんだよねてへぺろ

 

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