ビッグモーターと仲良くしていた

某保険会社に業務改善命令が出た。

新聞には

「金融庁は…

顧客の利益よりも自社の利益を

優先する企業文化』が原因だとして、

経営責任の明確化とコンプライアン

スの徹底を求めた」

とある。

(北海道新聞1月26日 太字烏丸以下同じ)

 

まーたかぁ照れ

全然変わってないんだな

もう20年近く経つのに

 

っていうのが一番最初に浮かんだ

感想だ。

この会社、平成18年に業務改善命令、

後に業務停止命令まで喰らっている。

理由は、

保険金支払い漏れ、

生命保険募集に係る不正(社員が

保険料を払っていた)

顧客の名前の印鑑を大量保有

その他モロモロぜんぶで7つくらいの

法令違反。

 

その時も、法令違反の理由は

 

「営業推進担当役員及び担当部が、代理店等の実際の販売力と乖離した過大な目標額を設定し、…営業現場に対して強いプレッシャーを与えるなど、当社の業務運営が営業偏重となっていることによるもの」

 

だった。

(詳細は下記参照

→金融庁「株式会社損保ジャパンに対する行政処分について」)

 

ようするに業界トップの会社に

追いつき追い越せで

上の人たちの暴走に下が唯々諾々と従って

上も下も見て見ない振りして

どーせバレやしないだろうと

タカ括っていたのがバレたのだ。

違うかな。

 

いえ私そういう事言いたいんじゃなかったわキョロキョロ

あのね、その時、私居たの

あの会社の、ある支社に。

社内カーストどんじりの

「パートのおばさん」として。

業務停止が分かった時、

そりゃ戦々恐々だったわよ。

 

もしかして会社お取り潰しに

なるんじゃないの?

ほら保険業って認可とか許可とか

要るんでしょ?

取り上げられたら廃業よね?

あたしたちどうなんの?びっくりびっくりびっくり

クビ?

嫌だわー怖いわー

仕事探さなきゃ―…

 

不安に戦き変な妄想ばっかり

エスカレートさせていた

おばさんたちの群れに、

アラサー正社員女性が

ツカツカっと近づいてきた。

アラサー女史、顔色一つ変えず、

眉一つ動かさず言う。

 

「業務停止のことですけど。

苦情電話がかかってきたら

丁寧にお話を伺って、謝ってください

 

はぁ!?びっくりびっくりびっくりびっくりびっくり

謝るって何よむかっむかっむかっむかっむかっ

なんであたしたちが謝るの。

あたしたち

なんにも悪いことしてないもんムキー

(せいぜい裏紙コピーって言われたのに

サラの再生紙に大量コピーしちゃったり、

銀行回りのついでにマクドナルドでシェ

イク飲んだくらいだ。自分のカネで)

 

大体一次対応はパートで、って

こんな時でさえ

あたしたちが話を聞いて、

謝んなきゃなんないの?

悪いことしたの、正社員じゃない。

パートのおばさんじゃないでしょむかっむかっむかっ

(パートのおばさんができる悪い事なんて

タカが知れてるし)

こんな時くらい自分達が電話に

出なさいよむかっ

どうせ業務停止で総合職なんて

外回りできないんでしょ?

電話に張り付いて、苦情電話に

謝り倒してたらいいじゃないむかっむかっむかっ

こんな時ばっかり「当社の一員」扱い

しないでよムキー

 

結局、苦情電話はあんまり来なかった。

私達にとっては

驚天動地のえらいことでも、

世間の人にとっては

あまり関心のある事じゃなかったのかも

知れない。

弟が

「お前んとこの会社は泥棒と同じだな」

となじった。

 

この会社は、しばらくして退職した。

夫の仕事の都合で引っ越すことになったのだ。

そしてあたしはまた保険会社の事務スタッフに

なった。

あたしが勤務し始めた頃、

その会社も、生命保険か何かの業務で

改善命令と販売停止命令を受けていた。

勤め始めてすぐ、事務スタッフが一室に

集められた。

部屋に入って来たのは、

北海道に数人しかいない、「上の人」。

そして、

「みなさんには行政処分のことで、

大変ご迷惑をおかけしております」

深々と頭を下げて謝った

 

彼は行政処分となった行為と、

対応策につてい説明し、

事務スタッフからも、これからの

会社についてアドバイスをいただきたいと

意見を募った。

 

ああ、違うのねおねがい

ぜんぜん違う。

さすがだわ~ラブラブラブ

メンタリティが違う~

なんだかうっとりしてしまった。

 

この会社が、

ビッグモーターと仲良し会社が

必死になって追いつき追い越そうとしていた

会社である。

そして

ジャニーズ事務所の性加害問題が

浮上してきた時、

一番最初にジャニーズタレントを

CMから外すことを決断した

会社だったんである。

(業界でも「業界初」の画期的な

商品をバンバン発売していたキラキラ

今はどうだか知らないが照れ