最近NHKのドラマ『らんまん』のお陰で、

雑草関係の本をチラホラ書店で

見かける。

この本は、

初版は20年くらい前らしい。

著者は、

静岡出身の植物学の先生だ。

岡山の大学院を出て、農林水産省、静岡県庁、

現在静岡大学大学院教授。

自称みちくさ研究家。

ご著書多数。

 

面白かった。

ああ植物ってすごいのねって思う。

「愉快」っていうより

「壮絶」だったり、「超絶技巧満載」だったり

「驚愕の生命力」だったり

である。

その辺に咲いてたり這ってたり

茂ってたりする「雑草」が

こーんな力を持ってるとはびっくり

こんな回路を持ってるとはびっくりびっくり

こんな規則に従っているとはびっくりびっくりびっくり

いーですか。

なんでこんな数列探し出したのか

理解不能な関数に従って

葉を出してるんですよ、ヒメムカシヨモギ。

フィボナッチ数列ですよ?

どこにでもある雑草がー…

(葉っぱ同士が重ならず、

できるだけ太陽の光が当たるように、

じゃないかって言われている。)

んでほとんどの植物が、

この規則に従って葉っぱ出してるらしい。

 

 

地中深~く根茎を張り巡らし、

根絶が非常に困難な

「地獄草」ことスギナ三億年びっくりの歴史、

生態、

原爆投下後の広島で一番最初に

緑を取り戻したのはスギナだという)、

可憐でカワイイ野原の蘭「ネジバナ」の

菌を呼び寄せ、

寄生させて養分を貰い、

挙句の果てには菌を分解して我が養分と

するホラーで捨て身な生態、

そういえばこの著書によると、

在来タンポポに外来タンポポを受粉すると、

二分の一が外来タンポポの遺伝子に

なるらしい。

さらにこの外来タンポポに外来タンポポの

花粉を受粉させると外来タンポポ四分の三。

在来タンポポは、人間の自然破壊だけでなく、

遺伝子汚染の危機にもさらされているという…

 

雑草の女王メヒシバの

田んぼだろうが道端だろうが

場所を選ばず蔓延る

「陣地拡大型」(横に伸びながらテリトリーを広げる)

「陣地強化型」(上に伸びて光を独占する)

を使い分けるしたたかでたくましい生き様。

植物が自分に必要な有機物質を作りだす

「光合成」人間が巨大プラントを作っても

再現できないシステムだけど、

エノゴロ草は、通常の光合成回路の他に

高性能光合成回路まで持ってるんだそうだ。

あの、そのへんで揺れてる猫じゃらしですよ?

 

すごくないですか。

カッコよすぎるだろラブラブラブ

 

他にもスミレ、ハコベ、ナズナ、ヨモギ、

シロツメクサ、オオバコ、カタバミ、

セイタカアワダチソウ、ホテイアオイ…

 

お馴染みのよく聞く名前の

その辺の空き地や駐車場の隅っこ、

アスファルトの割れ目なんかにひっそり

目立たず、あるいは雀にいいだけ穂を

むしられて佇んでる雑草たちの

ものすごい底力やエピソードを、

これまた分かりやすく楽しく、

くすっと笑わせるようなどことなーく

滑稽味のある文章で

ご紹介いただいてます。

 

プロローグで著者は

 

「逆境に立ち向かい続けるしたたかでたくましい彼らの生き方は、私達をまちがいなく驚愕させることだろう。そして、雑草たちのドラマは、今まさに逆境に立ち向かっている方々にとって力強い応援歌となってくれるはずである。」

 

と書いてます。

ハイ、驚愕いたしました。そして、

 

「彼ら、だから

置かれた場所に咲けるんだなあ

人間、無理は禁物だ照れ

 

と思わせてくれます。

雑草の凄さに驚かされ、

己自身を知る。

楽しさと驚きと、そんなおトクの

詰まった本でした照れ

 

 

 

本の中には、彼女も出てくる。学名は「ヴェロニカ」。聖書に出てくる女性の名前だ。その理由や、ほかの美しい名前も出てくるぞキラキラいちばんポピュラーな名前はこの可憐さにも関わらず「オオイヌノフグリ」だが。