くあるお店に入った時の事。

若い夫婦がやっていて、

旦那さんが厨房係、奥さんはホール係。

メニューは少ないけれど、

どれもとびっきり美味しくて

ボリュームも素敵ラブラブラブ

という噂だ。

 

ジャズの流れる、

カウンターと

ボックス席が数個ある、

打ちっぱなしの壁が

いっそ音楽とあっててかっこいい。

カウンターの内側で、

奥さんが忙しく働いてる。

旦那さんはさらに向こうの厨房。

 

あ。あれびっくり

 

奥さんの背中には、

おぶい紐で子供がくくり付けられている。

まあ懐かしい照れ

むかしはバスや電車の中でも

赤ちゃんをおぶい紐でおぶい、
そのうえからママコートをはおった

お母さんを見かけた。

町のラーメン屋や定食屋なんかでも

カウンターの中で、

子供を背中にくくりつけたおかみさんが、

旦那さんと一緒に立ち働いていたりした。

 

よく見ると、厨房への入り口近く、

食器やらテイクアウト用の袋を置く台の端、

小さな女の子が勉強している

奥さん、子供さんをおぶったまま

テーブルからテーブルへの料理を運ぶ、

注文を取りに行く、

カウンターの中でグラスや食器を洗う。

大変だなあ…

疲れちゃわないかな…

お客の1人が大変な時期だね、と

声をかけると、

子供と一緒にいられるから…

とのことだった。

1歳になる息子さん。

 

それから10日もしない平日、

タイヤ交換するために早退して

整備工場へ。

11月の上旬中にタイヤ交換したいんです、

と言ったら、

早退しないと行けない時間しか空いていないと

言われた。

これ以上延ばしたら雪降っちゃうもん。

出迎えてくれた整備の人に鍵を預け

事務所に入ると

いつも開かずの間だった応接室のドアが

開いていて、

中にメッシュ地のベビーサークルが置いてある

そのさらに向こう、重厚な戸棚の前には

ベビーチェア。

サークルの中には子供が寝ている。

赤ちゃんは、社長さんのお子さんだった。

お母さんは、事務所で事務を執っている。

赤ちゃんがむずかると

事務を執っていたお母さんが応接室に行って

赤ちゃんを抱きあげ、事務所に出てきた。

「遅くにできた子供で…」

と嬉しそう。8カ月のお嬢さん。

 

応接室を子供の部屋に、なんていいアイデア!

 

その事を伝えると、

従業員の女性に子供が生まれたら、

やっぱり子供連れで出勤してもらおうと

思っている、と言う。

そうだそうだ!

事務所には商談用の椅子・テーブルが2セットもある。

どうしても聞かれたくない話がしたければ、

それこそ車の中で、

ドライブでもしながらやってくればいいのだ。

盗聴もされないわよ。

 

世の中にはいろんな仕事があって、

とてもじゃないけど子供を連れて何て来られない

危険な職場もあれば、

オトナな職場もある。

オカネを貰って、子供や生活感のない空間を

提供する商売だってある。

 

でもね、なんとか、

子供さんとお母さんが触れ合える時間が

ちょっぴりでもあって、

その間、みんな喜んで肩代わりする、

またはお母さんが赤ちゃんのもとへ

行ってあげられなかったら

誰かがちょっと行ってあげる、

そんな職場、

あってもいいんじゃないかなあと思った。

安心と笑顔と、温かいものが乙女のトキメキ

草も木も無いジャングルみたいな職場に、

芽生えないかしらチューリップ

 

それと、

ほんの10日のうちに、20代30代の

私から見ればまだまだ若い人たちが

こんな形で働いてる姿を見たって言う事は、

もしかしてもうこの働き方、流行り始めてるのかな?

若い人達で、新しい働き方を

作りつつあるなんてこと、ないのかなあ。

どうなんだろう照れ

 

分厚ーい。ジャガイモも手で食べる。ジンジャーエールはほんとにショウガ味。